リバプール&遠藤航はどうなる? カリスマ監督クロップ突然の退任発表で激変か (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi

【後任候補にシャビ・アロンソの名前も】

 それは、今シーズンからリバプールに加入した遠藤航も同じだろう。

 クロップの特殊なサッカーを理解するまでにはそれなりの時間を要したが、アジアカップ前には、負傷したアレクシス・マック・アリスターが不在の間に自身の存在価値を証明するだけのパフォーマンスを披露。遠藤にとって、「さあ、これからだ」という時に、まさかカタールの地で信頼していた自分のボスがいなくなることを知らされるとは、その胸中を察するにあまりある。

 最大の問題は、誰がクロップの後継者となるかだろう。そもそもクロップのスタイルは唯一無二。それを考えれば、どんな監督が指揮を執るにしてもクロップと同じサッカーが継続されることはないはずで、そうなればすべての選手がゼロからの再スタートを強いられる。横一線の状態から、激しいポジション争いが繰り広げられる。

 すでにメディアでは、リバプールOBで現在レバークーゼン(ドイツ)で采配を振るうシャビ・アロンソ監督も後任候補として浮上している。まだ噂の域を出ない話だが、今後も次期監督が決まるまではさまざまな憶測報道がなされるだろう。

 ただ、それはそれとして、サッカーファンなら、まずは残りわずかとなったクロップのリバプールを思う存分、楽しむべきだ。幸い、現在のリバプールはプレミアリーグで首位を走り、ヨーロッパリーグとFAカップも勝ち残っている。2月26日にはチェルシーとのリーグカップ決勝戦も待っている。

 今回の一件によって、四冠の可能性を残すリバプールの戦いにはますます注目が集まりそうだ。

プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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