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久保建英は右ウイングでの適性を証明 日本代表6人のCLでのプレーを採点評価 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【最後に魅力を発揮した上田綺世】

 前半でベンチに下がった日本人選手といえば、ラツィオの鎌田大地もそのひとりになる。ホーム、オリンピコで行なわれた対フェイエノールト戦。4-3-3の右インサイドハーフで先発した鎌田だったが、これと言った見せ場を作れずに終わった。マウリツィオ・サッリ監督率いるラツィオの水が合っていない印象を受ける。採点するならば5.5か。もう一列高い位置(4-2-3-1の1トップ下や0トップ)でプレーしたほうが、持ち味は発揮されるはずだ。

 この試合にフェイエノールト所属の上田綺世は後半36分から出場した。リードされているにもかかわらず、押し詰まった時間からの出場になった理由は、スタメンを張る左利きのストライカー、サンティアゴ・ヒメネス(メキシコ代表)が優秀すぎるからだ。フェイエノールトはこの試合に0-1で敗れているが、内容ではラツィオに大きく勝っていた。

 フェイエノールトはCL出場32チームの中でも、指折りの好チームと言って過言ではない。ヒメネスが1トップで構えることとそれは大きな関係がある。そこにボールがよく収まる。トップ周辺にボールが収まらず、結果は残しているものの、必ずしもいいサッカーができているとは言えない森保ジャパンとは趣を異にする。

 交代出場の上田は、ヒメネスと2トップを張る恰好になった。しかし前節同様、なかなかボールに触れることができない。ゴール前で待つタイプのストライカーという特徴がその傾向に輪をかける。この日も、後半の追加タイムに入ってようやく披露したドリブルが2度目のボールタッチという有様だった。

 3度目のボールタッチは6分という追加タイム表示を1分も過ぎた後半52分だった。右から、イラン代表の右ウイング、アリレザ・ジャハンバフシュがゴール前にロブ気味のクロスボールを蹴り上げると、上田はゴール前でフワリと身体を浮かせた。誰よりも上方に飛び上がると、打点の高いヘディングを、枠内めがけて叩きつけた。

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