久保建英は右ウイングでの適性を証明 日本代表6人のCLでのプレーを採点評価

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【SBのあり方を追求するアーセナル】

 SBをいかに有効に使うか。バスク出身のミケル・アルテタ監督も、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督と同様のコンセプトを掲げてCLに臨んでいる。つまりアーセナルの左SBは、相手にとって狙い目の場所になるわけだ。しかし、セビージャは冨安が上がった裏をまるで突けなかった。逆に右も含む両サイドをアーセナルに制圧されることになった。

 アーセナルの左右のウイングプレーが強烈だったからである。ガブリエル・マルティネリ(左・ブラジル代表)とブカヨ・サカ(右・イングランド代表)にセビージャの両SBが押し込まれ、その結果、両ウイングが孤立。セビージャのサイド攻撃は、アーセナルのSBの背後を突くだけの威力に欠けた。

 日本代表に置き換えれば、左ウイングは三笘薫で、右は伊東純也か久保建英となる。日本自慢のストロングポイントである。グアルディオラ並びにアルテタが追求するSBのあり方を、森保ジャパンも追求できる環境にあるわけだ。

 今年3月に行なわれた親善試合のコロンビア戦では、左SBに起用されたバングーナガンデ佳史扶が、それに似たポジション取りを見せている。追求された形跡はある。だが、コロンビアに敗れたことが原因なのか、それっきりになっている。

 マイボールに転じるや攻撃的3バックに変化するサッカーの追求は断念する一方で、5バックになりやすい守備的な3バックは健在だ。両ウイングに好選手がひしめいているというのに、そこをわざわざ削り、後ろを固めようとする。日本に適しているのはどちらか。正解はアーセナルと冨安の関係を見るまでもない。

 見たいのは、両翼に三笘、伊東、久保らが張り、冨安がSB兼守備的MFとしてプレーする、4バックと3バックの攻撃的な可変型サッカーだ。W杯アジア2次予選にオールスターキャストで臨むなら(それ自体に賛同はできないが)、そのくらいの実験は当たり前のようにしてほしいものである。

 セビージャ戦に話を戻せば、冨安は6.5ぐらい出せそうな、まずますの活躍をしたにもかかわらず、前半終了とともにオレクサンドル・ジンチェンコと交代でベンチに下がった。「左SBに負傷者が続出しているブライトンに移籍すれば」と、つい、ない物ねだりをしたくなる。

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