三笘薫の「ほぼ先制弾」で息を吹き返したブライトン 反撃の予兆は90年代のアヤックスを彷彿させる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【"アベック優勝"の夢】

 ブライトンは後半8分にジョアン・ペドロと1トップで先発したアンス・ファティの縦関係によるコンビネーションで加点。2-0で試合を終えた。三笘はいつもどおりフル出場。採点をするならば7だろう。

 グループBのもうひと試合、マルセイユ対AEKアテネは3-1でマルセイユが勝ったため、同組の順位は以下のようになった。

 1位マルセイユ(勝ち点5)、2位AEKアテネ(4)、3位ブライトン(4)、4位アヤックス(2)

 8グループの中で1位と4位の差が最も接近する最大の激戦区である。それでもブックメーカー各社はブライトンをリバプール、レバークーゼン、ローマに次いで優勝争いの4番手と予想する。

 それはブライトンが世の中から淡い期待を集めていることを意味している。イメージが重なるのはルイス・ファン・ハールが率いた1990年代のアヤックスだ。CLを制したのは1994-95シーズンだが、前兆はその3シーズン前(1991-92シーズン)に現れていた。ヨーロッパリーグの前身に当たるUEFAカップを制し、それを基点に快進撃を開始した。クライフ監督率いるバルサがチャンピオンズカップで初優勝を飾る1週間前の話でもある。

 1991-92シーズン、バルサとアヤックスは、チャンピオンズカップとUEFAカップで"アベック優勝"を飾っていた。同様に、同じテイストを持つふたつのチーム、今季のマンチェスター・シティとブライトンの関係はどうなのか。期待したくなる。

 アヤックスが欧州一に輝いた当時の左ウイングは、マルク・オーフェルマルスだった。右利きの小柄な左ウイングで、俊敏で三笘同様、縦に抜けるフェイントに一日の長があった。中盤選手然とした頭脳的なプレーも三笘似だった。

 次節は11月9日(現地時間)で、アムステルダムで行なわれるアヤックス戦になる。オーフェルマルス然とした三笘を見たアヤックスファンの反応はいかに。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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