三笘薫が見せた「妖精のような動き」 途中出場2得点でブライトンを救う (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by REX/AFLO

 喜ばしい話ではある。しかし、後半追加タイムの6分間を加えた計51分というこの日のプレー時間は、やっぱり長い気がした。せいぜい15分に収めたかった。中2日でリーグカップのチェルシー戦が控えているからだ。

 過密日程とどう向き合うか。その中には日本代表戦も含まれる。代表戦は10月(親善試合)、11月(ワールドカップ予選)と立て続けに組まれている。11月に呼ぶなら10月は招集しないとか、毎度の招集は避けるべきだ。これは欧州のカップ戦に出場している他の選手にも言えることだが、代表監督は欧州組のスケジュール管理と真剣に向き合う時期に来ている。スポンサーやテレビ局の要請に屈し、ベストメンバーを毎度並べる時代は終わった。

 それはサッカー後進国がすることだ。所属クラブの間合いに合わせるべきなのだ。日本は欧州から最も遠い国であり、W杯予選の環境が世界で最も緩い国であることを忘れてはならない。そうでないと選手が痛む。贔屓の引き倒しになる。貫くべきはプレーヤーファーストの精神である。

 特に欧州人に混じると華奢に見える三笘は、ガラス細工のように扱うべきだ。たとえるなら、重要文化財の域に達しつつあると筆者は見ている。
 

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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