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柴崎岳のスペインでの7年をどう評価するか 明暗を分けた「どこもできる」技術 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかしあらためて、7シーズンのスペイン挑戦は誇るべきだろう。2部でこれだけ試合を重ねた日本人選手は過去にいない。厳しい勝負に挑むことは、2018年ロシアW杯での好プレーに結びついていた。その後も2022年カタールW杯まで日本代表に選ばれる要因になり、挑戦の正当性を示したと言えるだろう。

 ではJリーグ、鹿島に戻った柴崎がタイトルをつかみ取れるか?

 今後は、そこがカムバックを占う焦点になる。海の向こうで培った経験で、チームが常勝精神を取り戻すことができたら――。柴崎自身のプレーにも再び輝きを与えられるはずだ。

 鹿島は現在6位で、残り8試合で逆転優勝も不可能ではない。

「アントラーズがタイトルを獲得できるよう、自分のベストを尽くします」

 柴崎の決意表明である。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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