メッシの移籍先MLSにはなぜスター選手が集まるのか ベッカムに始まり、アンリにピルロ、ズラタン、今季はベイルも参戦 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【メッシの年俸は破格の56億円】

 リーグ全体がプレゼンス(存在感)を高め、収益力も上がったことで選手のサラリーも上昇。今シーズンのサラリートップ5を見てみると、1位シャチリ=年俸820万ドル(約11億6000万円)、2位インシーニェ=年俸750万ドル(約10億6000万円)、3位チチャリート=年俸740万ドル(約10億5000万円)、4位ベルナルデスキ=年俸630万ドル(約8億9000万円)、5位ドリウッシ=年俸600万ドル(約8億5000万円)となっている。

 今回インテル・マイアミと契約をかわすメッシの場合は、MLSでは破格の年俸4000万ドル(約56億6000万円)を手にするという。しかも1年延長のオプション付きの2年契約なので、3年プレーした場合、ボーナスを含めて総額最大1億5000万ドル(約212億円)と言われている。

 とはいえ、サウジラビア行きを決めていればメッシの年俸は5億ユーロ(約764億円)と見られていたため、本人が明言したように、MLS行きはお金目当てではなかったことは間違いない。とにかく、MLSにとってはベッカムを超える大物獲得となったわけだ。

 すでにメッシ加入前から地元マイアミは大フィーバーとなっており、チケットの価格も地下で高騰。そして、現在アルゼンチン代表の一員として中国入りしたメッシは7月5日にマイアミ入りすると見られており、注目のデビュー戦は7月下旬になる見込みだ。

 来年6月にはメッシも出場予定のコパ・アメリカ2024が開催されるアメリカは、2026年ワールドカップの開催地でもある。果たして、メッシ加入でアメリカサッカー界とMLSはどのような盛り上がりを見せるのか。

 これまでとは比較にならないほど、世界中から注目を浴びることになりそうだ。

プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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