リーガ得点王らと並び久保建英も選出 スペイン人記者が選んだ今季ラ・リーガのベストイレブン【MF&FW編】 (3ページ目)

  • マリオ・コルテガナ●文 text by Mario Cortegana
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【すべてのプレーを完璧にこなした】

FW/ヴィニシウス(レアル・マドリード/22歳/ブラジル)

 今季のリーガでゴールとアシストの合計が19と、先日退団したばかりのカリム・ベンゼマ(ゴールとアシストの合計22)を下回ったが、約150分ごとにゴールに絡み、チームの攻撃で最も違いを生み出す選手と評価された。

 ドリブル数(265回)、ドリブル成功数(112回)はリーガトップ。さらに被ファール数(122回)は欧州5大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランス)で最多と止めるのが非常に難しい存在になっていた。

 またヴィニシウスはボールをキープして長い距離を移動し、相手の守備を破壊できるその類稀な能力によって、チームの勝利に大きく貢献。さらに今季は連係面やゲームに対する理解度を高め、チームメイトのゴールチャンスをお膳立てし、リーガで2番目に多い9アシストを記録した。そして今後も改善の余地はあるが、シュートテクニックにも磨きがかかっていた。

 しかし今季のリーガは特に、ヴィニシウスに対する人種差別問題が人々の記憶に残ることになってしまった。5月にメスタージャで行なわれたバレンシア戦は、一部のサポーターから差別的な発言を受け続けたヴィニシウスが抗議したことで中断され、世界中に波紋を呼んだ。この出来事はスペインサッカー界から悪しき習慣をなくすため、各機関が真剣に対策を講じるきっかけとなっている。

FW/ロベルト・レバンドフスキ (バルセロナ/34歳/ポーランド)

 昨季、センターフォワード(CF)に問題を抱えていたバルセロナだったが、あらゆる面で高い能力を備えたレバンドフスキが加入したことにより、再び攻撃の核を手にすることができた。

 シャビ監督の期待に瞬く間に応え、ショートパスでチームメイトと連係する必要がある時、ゴールを決めるためにペナルティーエリアに進入しなければならない時、そしてポストプレーで相手DFを引きつける必要がある時、そのすべてのプレーを完璧にこなし、世界有数のCFであることを証明した。

 その結果、スペイン初年度にかかわらず23ゴールを挙げ、ピチチ賞(リーガ得点王)に輝いた。それだけではなく、シュート数(112本)や枠内シュート数(58本)などでもリーガトップとなっていた。

 これらはレバンドフスキが生粋のストライカーであることを示すデータであるが、連係面でも高い能力を発揮した。その証拠にリーガで5番目に多い7アシストを記録し、スペインで今シーズン最も際立つ活躍を見せたFWとなった。

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