旗手怜央が語るゴール量産の古橋亨梧のすごさ 「年間最優秀選手には悔しさも覚えた」
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セルティックがスコティッシュカップ決勝を制し、リーグ、リーグカップとともに3冠を達成。今シーズンの自分の出来を振り返ると同時に、ゴールを量産したチームメイト・古橋亨梧との関係についても語った。
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【ピッチではまず亨梧くんを探した】
スコットランドにおけるすべてのタイトルを獲得して、2022-23シーズンを締めくくることができた。
スコティッシュカップ優勝。旗手怜央はセルティックのシーズン3冠に貢献したこの記事に関連する写真を見る プロになってから3年半――幸運にも毎年、タイトルを獲得できている。何度、優勝を経験しても、どれもが同じではなく、そのたびに異なる充実感と達成感を得られるのは、自分たちを応援してくれるファン・サポーターが見せる、あの爆発的な歓喜のおかげなのだろう。
6月4日、スコティッシュカップ決勝でセルティックはインヴァネスに3-1で勝利し、ハムデンパークで喜ぶファン・サポーターの姿を見ながら、そんなことを考えていた。
川崎フロンターレ時代は等々力陸上競技場で見る笑顔が、セルティックに加入してからはセルティックパークで見る笑顔が、自分の「さらに」「もっと」という意欲をかき立て、成長をうながしてくれる。
リーグ優勝、スコティッシュリーグカップ優勝に続く、3つめの国内タイトル獲得になったスコティッシュカップ決勝で、ゴールの口火を切ったのは、(古橋)亨梧くんだった。38分、マット・オライリーのパスに亨梧くんはニアへと走り込むと、右足で合わせて先制点を奪った。
亨梧くんのストライカーとしての魅力は、僕が言うまでもなく、動き出しの速さにある。先輩である亨梧くんのプレーについて自分が語るのはおこがましいけど、その動き出しの速さを生かそうと、今季はピッチで前を向いた時には、まず亨梧くんを探し、可能な限り彼へのパスを狙うことを意識していた。
記憶に新しいところとしては、5月7日のハーツ戦(67分の得点)であり、5月20日のセント・ミレン戦(14分の得点)でのアシストがそれだった。また、スコティッシュリーグカップ決勝で記録した亨梧くんへのアシストも、彼を常に意識していたことから生まれたプレーだった。
自分がアシストしたゴールも含め、今季、亨梧くんが決めたゴールの多くが、ワンタッチによるものだった。いかに彼が動き出しで勝負し、一瞬の動きでゴールを決めているかがわかるだろう。
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