CL準決勝はレアルのヴィニシウス対マンチェスター・シティの右SBに注目 ミラノ勢の対決はポルトガル代表23歳の出来がカギを握る (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

【攻撃的なミラン対守備的なインテル】

 イタリア勢と言えば、カテナチオという言葉で示されるとおり、守備的サッカーだと相場は決まっていた。イタリア勢同士の対戦となった2002-03シーズンのCL決勝、ミラン対ユベントス(オールドトラッフォード)がその象徴で、観衆のなかには睡魔に襲われ、船をこいでいる客さえいたほどだ。

 しかし、ステファノ・ピオリ監督率いるミランも、ルチアーノ・スパレッティ監督率いるナポリも、攻撃的なサッカーを展開した。試合は、合計スコアこそ2-1だったが、内容的には激しい撃ち合いの好勝負となった。そこにイタリア勢躍進の理由を見た気がする。

 一方、ミランと準決勝を戦うシモーネ・インザーギ監督率いるインテルは、5バックになりやすい3バックで戦う従来型のチームだ。準々決勝ではその罠に不用意な攻撃的サッカーを展開したベンフィカが、まんまとはまる格好になった。合計スコア5-3でインテルが勝利したこの対戦は、ベンフィカの粗さが目立つことになった。

 準決勝のミランダービーを色分けすれば、攻撃的サッカー(ミラン)対守備的サッカー(インテル)の一戦となる。セリエAの現在の関係で言えば、4位(ミラン)対5位(インテル)の関係になるが、ブックメーカー各社の予想では「インテルわずかに優位」が多数を占める。勝てばCL決勝進出が決まるというイタリアサッカー界にとっては久々の大一番だ。守り合いになるのか、撃ち合いになるのか。ラファエル・レオンが活躍するか否かが、勝敗の分かれ目になるだろう。

 準々決勝の第1戦を、バイエルンに3-0で勝利したマンチェスター・シティは合計スコア4-1。第1戦でチェルシーに2-0で勝利したレアル・マドリードは合計スコア4-0で、それぞれ準決勝進出を決めた。

CL準決勝第2戦、バイエルンと1-1で引き分けて準決勝に進出したマンチェスター・シティCL準決勝第2戦、バイエルンと1-1で引き分けて準決勝に進出したマンチェスター・シティこの記事に関連する写真を見る ただ、第2戦はどちらも思いのほか苦戦した。マンチェスター・シティはGKエデルソン、レアル・マドリードはGKチボー・クルトワが活躍。前半にビッグセーブを決めている。そこで失点していたら、接戦になっていた可能性は高い。

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