旗手怜央がゴールやアシストが増えた理由を自己分析 「ちょっとした工夫で、見える景色やできるプレーは変わっていく」 (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

【ちょっとした工夫で見える景色が変わる】

 昨季までは、ダブルボランチの相棒であるマクレガーがトップ下の位置に上がっていく機会が多かったが、そうしたプレーの工夫と変化により、自分がゴール前で攻撃に絡む場面も増え、必然的に「ゴール前での質」という課題に対するアンサーを見つけることができた。

 リーグカップ決勝でアシストを記録することができたのも、自分でチームメイトを動かし、うまくパスコースを作り、また最前線にいる亨梧くんの近くでプレーしようと意識した結果だった。

 SBが中に入ってきた時は、中盤の選手は外に出るというのは、アンジェさんが求めているプレーではあるが、そこに自分の判断やアイデアを加えたことで、自分もアシストやゴールという結果を残せるようになり、チームもさらに機能しているように感じられて、サッカーの奥深さを改めて噛みしめている。

 2得点を挙げた2月18日のアバディーン戦(第26節)の13分、相手3人に囲まれながら決めたゴールは、後日、一緒に映像を見ながら振り返ったコーチにも褒めてもらえた。だが、咄嗟に相手のタイミングを外してシュートできたこと以上に、ターンをして前を向けたのが大きかったと実感している。

 それも「縦ではなく横」を意識したことによる効果だった。ポジショニング、すなわち角度の重要性が、新たな成長を促してくれている。ちょっとした工夫で、見える景色やできるプレーは変わっていく。

(連載第16回「偉大な存在の父親のこと」>>)

旗手怜央 
はたて・れお/1997年11月21日生まれ。三重県鈴鹿市出身。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2020年に川崎フロンターレ入り。FWから中盤、サイドバックも務めるなど幅広い活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。2021年シーズンはJリーグベストイレブンに選ばれた。またU-24日本代表として東京オリンピックにも出場。2021年12月31日にセルティックFC移籍を発表。2022年1月より、活躍の場をスコットランドに移して奮闘中。3月29日のカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦で、A代表デビューも果たした。

◆【画像】旗手怜央のセルティック、三笘薫のブライトンほか、久保建英のレアル・ソシエダほか、欧州サッカー注目クラブのフォーメーション

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