三笘薫爆発の要因に欠かせない「ブライトンの戦術」。水沼貴史は「日本代表でも参考になる」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【日本代表でも三笘の力をもっと生かしたい】

 日本のサッカーファンであれば、代表でも三笘のさらなる活躍を期待するだろう。カタールW杯では途中出場からの切り札として重宝されたが、W杯後の日本代表では間違いなく中心としての立場になるはず。

 プレミアリーグの下位ではなく、上位に絡んでくるチームでレギュラーとして活躍している選手が、日本代表でベンチに甘んじるなんてことはありえない。

 そうなると代表で三笘をどう生かすのかも注目だ。そこでブライトンのやり方というのは代表でも一つ参考になる。左に三笘がいて、右には伊東純也や堂安律がいる。中には鎌田大地や久保建英もいて、周りの選手も含めて考えると選手は揃っている。

 そのなかで、中央で作りながらサイドバックを引きつけておいて、アイソレーションで逆サイドに持っていってというイメージを全員で共有することができれば、より三笘を生かせるサッカーになるだろう。

 いまアジアのナンバーワン選手は間違いなくソン・フンミンだ。ただ、そんなソン・フンミンを三笘は越えるだけのポテンシャルは備わっていると思っている。今後どんなキャリアになるかわからないけれど、ブライトンでやっているサッカーのなかで自分のやりたいことをやり尽くし、どれだけ飛躍していくのか楽しみにしている。

水沼貴史 
みずぬま・たかし/1960年5月28日生まれ。埼玉県出身。浦和南高校、法政大学で全国優勝を経験。JSL日産自動車でも数々のタイトルを獲得し、チームの黄金時代を築いた。日本代表では国際Aマッチ32試合出場7ゴール。Jリーグスタート時は横浜マリノスで3シーズンプレー。引退後は、横浜F・マリノスのコーチや監督を務めた。現在は解説者として活躍中。

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