カタールW杯のベストイレブンを識者5人が選定。「新時代の守備者」「安定した技術とハードワーク」「問答無用の活躍」 (4ページ目)

【モロッコの躍進は際立っていた】

中山 淳(サッカージャーナリスト)

この記事に関連する写真を見るFW/フリアン・アルバレス(アルゼンチン) 
FW/エムバペ(フランス)、グリーズマン(フランス)、メッシ(アルゼンチン) 
MF/チュアメニ(フランス)、アムラバト(モロッコ) 
DF/テオ・エルナンデス(フランス)、グバルディオル(クロアチア)、サイス(モロッコ)、ハキミ(モロッコ) 
GK/リバコビッチ(クロアチア)

 番狂わせが多かった今大会。そのなかでも、アフリカ勢として初めて4強入りを果たしたモロッコの躍進ぶりは際立っていた。

 とりわけ中盤の大黒柱として八面六臂の活躍を見せたアムラバトは、今大会で最も評価を高めた選手と言っていい。また、最終ラインで堅守を支えた主将ロマン・サイス、右サイドで違いを見せたハキミも、躍進の立役者だ。

 その他の選手をポジション別に見ていくと、ベストGKには再三のPKストップで脚光を浴びたリバコビッチをセレクト。左CBは、同じクロアチアの若武者グバルディオルが文句なし。大会をとおして非凡な才能を見せつけ、市場価値も急上昇中だ。

 最も頭を悩ませたのが、左SBだ。アルゼンチンのマルコス・アクーニャとニコラス・タグリアフィコはどちらも充実のパフォーマンスで、クロアチアのボルナ・ソサもグループリーグで活躍したが、ここは準決勝でスーパーゴールを決めたフランスのテオ・エルナンデスを選びたい。

 ボランチのアムラバトとコンビを組ませたのは、全7試合に先発出場したチュアメニ。アルゼンチンのエンソ・フェルナンデスも捨て難いが、ポール・ポグバ、エンゴロ・カンテが不在だったなか、その代役どころか、すでにタレント軍団の大黒柱であることを証明したチュアメニを選んだ。

 前線は、メッシ、グリーズマン、エムバペ、フリアン・アルバレスの4人。大会MVPのメッシ、得点王の怪物エムバペは、もはや問答無用。攻守にわたるキーマンとなったグリーズマンと、ブレイクした若手としてスポットライトを浴びたフリアン・アルバレスを1トップとした。

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