カタールW杯のベストイレブンを識者5人が選定。「新時代の守備者」「安定した技術とハードワーク」「問答無用の活躍」 (3ページ目)

【GKが目立つ大会になった】

原山裕平(サッカーライター)

この記事に関連する写真を見るFW/リシャルリソン(ブラジル) 
FW/エムバペ(フランス)、メッシ(アルゼンチン) 
MF/グリーズマン(フランス)、モドリッチ(クロアチア) 
MF/アムラバト(モロッコ) 
DF/テオ・エルナンデス(フランス)、グバルディオル(クロアチア)、オタメンディ(アルゼンチン)、ハキミ(モロッコ) 
GK/E・マルティネス(アルゼンチン)

 多くのPKストッパーが現われた今回は、GKが目立つ大会となった。日本とブラジルの前に立ちはだかったクロアチアのリバコビッチ、スペイン、ポルトガルを零封したモロッコのボノも捨てがたいが、決勝も含めた二度のPK戦で勝利をもたらしたE・マルティネスがベストGKに相応しい。とりわけ決勝の延長後半に見せたスーパーセーブがなければ、アルゼンチンの優勝はなかったはずだ。

 2人のCBは老獪さと闘志溢れるプレーでアルゼンチンの守備を引き締めたオタメンディと、メッシにこそ翻弄されたものの規格外のポテンシャルを示したグバルディオルを選出。

 右SBはしなやかな走りと高精度クロスでモロッコの躍進を演出したハキミの存在感が際立った。左SBは決め手を欠いたが、高い攻撃性能を示し、重要なゴールも決めたテオ・エルナンデスを選んだ。

 中盤では、いずれも安定した技術とハードワークを兼ね備えた3人を選出した。アムラバトは圧巻のボール奪取能力に加え、攻撃の起点としても機能。モドリッチはクオリティの高さはもちろん、37歳とは思えない運動量に、ただただ驚かされた。縦志向のチームに幅と時間を生み出したグリーズマンは、守備の貢献度の高さも評価されるポイントだろう。

 3トップは伝説となったメッシと、得点王に輝いたエムバペを両ウイングに配置。CFは数字的には4得点のジルーかフリアン・アルバレスの二択になるのだが、ワールドカップ史に残るスーパーゴールを決めたリシャルリソンのインパクトを買った。

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