日本戦を「宝くじに当たった」と喜ぶクロアチア。Jリーグでプレーしたミキッチ、ニーノ・ブーレは森保Jの分析に大忙し (2ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「日本相手も驕らずにプレーを」

 日本はW杯を重ねるごとに成長し、目指すものも高くなってきている。彼らはこれまでに3度決勝トーナメントに進出しているが、特に忘れられないのはロシア大会でのベルギー戦だ。あの好調のベルギーを2-0とリードし3点目も奪うほどの勢いだった。またその後、2-2にされたあとでさえ、勝利を目指していた」

 そして日本戦への心構えをこう語った。

「まずグループリーグを突破することを目標に、我々はカタールにやってきた。つまり、ここまでで一応、目標は達成したことになる。決勝トーナメントは一発勝負。何より謙虚に、落ち着いてプレーすることが大事だ。だから日本相手にも驕らず、しかし強い気持ちを持ってプレーすることが大事だ」

 日本とクロアチアは過去に2回、W杯で対戦している。1998年のフランス大会ではダボル・スーケルのゴールで1-0の勝利、2006年のドイツ大会では0-0だった。

 クロアチアはユーゴスラビア紛争を経て独立、1996年のヨーロッパ選手権で初めて自国のユニホームを着て国際大会の舞台に立った。今回ベスト16に残った国のなかでは人口が380万人と一番少なく、選手ひとりひとりが自国の代表であることを強く意識している。これまでヨーロッパ選手権とW杯に合計12回出場し、2018年ロシアW杯ではあと一歩のところで優勝を逃がした。それだけに今大会にかけるモチベーションは高い。日本を破り、その後はブラジルを倒し、先に進みたいと思っている。

 ダリッチはクロアチアサッカー史上、最も成功した監督と言われている。最近ではチームをネーションズリーグのトップ4に導いている。卓越した戦術家であり、また周囲との関係を非常に重視している。彼のスタッフに、イビチャ・オリッチ、ベドラン・チョルルカ、マリエ・マンジュキッチ、マリジャン・ムリッチ(GKコーチ)と、4人のレジェンドが名を連ねているのも、彼の人望のおかげだろう。

 クロアチアはここまでまだ本当の強さを見せていないと思う。モロッコ戦はひどかったし、ベルギーとの引き分けは運のよさにも助けられた。一番の問題はチームに真のゴールゲッターがいないことだろう。

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