ガラスの天才、マケレレ後継者、アフリカ王...。カタール行きを逃した12人のスター選手たち (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

<エンゴロ・カンテ(フランス/MF/チェルシー/31歳)>

 フランス代表の先輩クロード・マケレレを彷彿とさせるボール奪取で、中盤に安定感をもたらす名ボランチ。8月中旬以降、ハムストリングの故障でピッチに立てない状態が続いており、ドクターと相談した結果、10月に入って手術を受けることを決断した。

 フランス代表のディディエ・デシャン監督は「彼がいないということは、チームにとって弱体化を意味する。エネルギーと経験を失うのだから」とコメント。もうひとりの中盤の主軸ポール・ポグバの欠場も決まり、同監督は頭を抱えているだろう。

<マルコ・ロイス(ドイツ/FW/ドルトムント/33歳)>

 世界に広く知られる選手でありながら、これほど数多くのビッグトーナメントと縁がない人物は、彼以外に存在しないかもしれない。おそらく今回がキャリア最後のワールドカップとなるはずだったが、その望みは足首の負傷によって潰えてしまった。

 2011年10月にドイツ代表デビューを飾り、10年以上にわたって第一線で活躍してきた一方、ロイスのプロ人生はケガとの戦いだった。それが「Aマッチ48試合」という少なさにも表れている。2014年ブラジルW杯、2016年EURO、2020年EUROと、国際大会欠場は今回で4度目。「ガラスの天才」はまたも大舞台のピッチに立てなかった。

<マッツ・フンメルス(ドイツ/DF/ドルトムント/33歳)>

 ドルトムントのDFラインを束ねるベテランも涙を飲んだ。ブンデスリーガ、欧州チャンピオンズリーグの双方で高い守備力を発揮し、順調なシーズンを過ごしていたが、あえなくW杯メンバーから落選してしまった。

 ドイツ代表のハンジ・フリック監督は「(メンバーを選出することは)簡単な任務ではなかった。マッツはいいシーズンを過ごしているし、(落選に)もちろん失望していた」と前置きしつつ、「しかし我々には、高いクオリティを持ち、CBを本職とする選手が4人いる。そして未来にも目を向けて、より若い選手を選ぶことにした」とフンメルス選外の理由を語った。

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