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バルサのカリスマ性はどこへ行ったのか。CLで3チームが脱落したスペインの凋落 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Eric Alonso/Getty Image

突破のレアルも余裕のない敗戦

 バルサが最後に欧州一に輝いたのは2014‐15シーズンなので、今季で8シーズンが経過する。かつてのバルサは勝たなくても一目置かれるチームだった。

 初めて欧州一に輝いた1991‐92シーズン以降、バルサは2005‐06シーズンまでタイトルを逃し続けた。勝てない時期が続いた。だが、その間タイトルを積み重ねたレアル・マドリードと双璧を成す関係を築いていた。サッカーが先進的かつ画期的だったからだ。他の追随を許さない圧倒的な魅力を誇っていた。攻撃的サッカーの本家と呼ぶに相応しい圧倒的なカリスマを備えていた。勝てなくても世界のサッカー界からリスペクトされていた。

 そうした威厳が、いまや雲散霧消した状態にある。それが今回の屈辱的な敗退劇で、さらに加速した印象だ。しかし、スペインリーグに目を転じれば、バルサの闇は明るみになりにくい。過去5シーズンの成績は1位、1位、2位、3位、2位で、今季も現在レアル・マドリードに3ポイント差の2位につけている。立ち位置に大きな変化はない。

 一方でスペインリーグのレベルは落ち込んでいる。UEFAリーグランクでは首位をいくイングランドに、年々ポイントを離される傾向にある。

 今季のCLにもそれは如実に表れていて、グループステージを突破したチームは結局、レアル・マドリードのみに終わった。バルサに加えアトレティコ・マドリード、セビージャもグループステージ突破を逃している。スペイン勢がベスト16に1チームしか駒を進めることができなかった過去は、本大会出場チーム数の拡大に伴い、1カ国から複数のチームが出場できるようになった1997‐98シーズン以来、初めてだ。

 唯一突破を決めた昨季の覇者レアル・マドリードも、第5節ではライプツィヒに3-2で敗れている。先行きに不安を残す、余裕を感じない敗戦だった。優勝した昨季も、振り返れば決勝トーナメントの試合内容はすべて劣勢で、勝負根性と試合勘を最大の拠りどころに掴んだ優勝と言えた。王者の勝ち方ではなかった。現状ではマンチェスター・シティ、バイエルンに平均的な力では劣ると見る。

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