カタールW杯で警戒したいスペインの攻撃。ポルトガルの堅守をこじ開けたゴールは、個人戦術&技術が光った (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

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ファーでフリーになったニコ・ウィリアムズにクロス。折り返しをモラタが押し込んだ

 このシーンでもっとも大きなプレーはカルバハルの高精度なクロスで、ファーサイドでフリーになったニコ・ウィリアムズが見えていたことも見事だった。その状況を作る段階で、前線での駆け引きに注目したい。

モラタが相手を釣り出した瞬間、カルバハルはファーサイドへクロス。折り返しをモラタが決めたモラタが相手を釣り出した瞬間、カルバハルはファーサイドへクロス。折り返しをモラタが決めたこの記事に関連する写真を見る ポルトガルは守備時に4-1-4-1で構え、1トップのクリスティアーノ・ロナウドを残してコンパクトな陣形を形成。4-3-3のスペインはサイドバック(SB)を高い位置に上げ、インサイドハーフも積極的に前線を追い越すことで、ポルトガルの守備を揺さぶっていった。

 そして得点シーンの後半43分。ポルトガルのブロックの外側でボールを回すスペインは、左サイドからセルヒオ・ブスケツ、ロドリを経由して、右のカルバハルへ展開した。

 カルバハルが、寄せてきたラファエル・レオンをワンタッチでかわしてルックアップ。この時、トップのアルバロ・モラタが中央から右斜めにダイアゴナルラン。これにポルトガルセンターバックのルベン・ディアスが釣り出され、中央にスペースが空いた。

 ここがポイントになった。中にスペースが空いたことで、ポルトガルは右SBのジョアン・カンセロがやや中へ絞ると、スペインは大外のニコ・ウィリアムズがフリーになった。それをカルバハルは見逃さなかった。

 ファーサイドへピンポイントの鋭いクロスが入ると、中に絞ったカンセロはまったく対応できなかった。ニコ・ウィリアムズはそのボールをヘディングで折り返し、最後は中央へ戻ってきたモラタが押し込んだ。

 モラタの一瞬の駆け引きでポルトガルの守備に隙が生まれ、新鋭のニコ・ウィリアムズも絡み、スペインが見事に決勝点を挙げた。

 決して調子がいいわけではない。それでもスペインの個のクオリティの高さは、ワールドカップで同組の日本にとって改めて脅威となる。

◆【動画】UEFAネーションズリーグ ポルトガルvsスペイン ハイライト
(スペインの決勝ゴールは4分27秒~5分12秒)

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