プレミアリーグ新シーズンで見逃せないGK&DF5人。英国人記者が好調なチームを支える選手たちを絶賛 (2ページ目)

  • オリバー・ケイ●文 text by Oliver Kay
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

好調ニューカッスルで輝く2人

DF/キーラン・トリッピアー(ニューカッスル・ユナイテッド)

 マンチェスター・シティ戦で決めた見事なFKがなくても、ここには彼の名前が入るべきだろう。それほど、ここ3試合のキーラン・トリッピアーの働きは見事だ。

 1月にアトレティコ・マドリーからの移籍が発表された時、残留争いに巻き込まれていたニューカッスルに加入したのは、カネのためではないかと訝しがられた。だがスペインでの生活に馴染めず、帰国を願っていた彼には、別の理由もあった──巨大資本を得て生まれ変わったニューカッスルのプロジェクトに加担したかったのだ。

 昨季後半戦は負傷もあって、エディ・ハウ新監督の下で復調したチームの力になれたとは言い難い。だがピッチ外でも影響力を発揮するリーダーのひとりは今季、開幕から3試合で腕章を巻き、1勝2分で6位につけるチームを支えている。

 フォレストとの開幕戦から状態のよさを感じさせ、セットプレーでもオープンプレーでも相手を脅かした。第2節のブライトン&ホーブ・アルビオン戦では、ゴールライン上のクリアなど、主に守備の貢献が光った。

 直近のシティ戦では、対面するフィル・フォーデンを巧みに抑え、前述の直接FKを沈めた。ケビン・デ・ブライネへのファウルで受けたレッドカードはVARで黄色となり命拾いしたが、あのシーンは責任感の表われと受け止めることもできる。イングランド代表でもっとも人材が豊富なライトバックの定位置争いでも、有力な存在だ。

DF/ファビアン・シェア(ニューカッスル・ユナイテッド)

 トリッピアーとは異なり、クラブがサウジアラビアの国家ファンドを中心としたコンソーシアムに買収される前から所属していた選手だ。そしてこのスイス代表DFは、じきに新戦力にポジションを奪われるだろうと見る向きもあった。

 ところがハウ監督の指導により、ミゲル・アルミロンやジョエリントンらと同様に見違えるような働きを披露するようになり、今やチームに欠かせない存在に。

 もっとも指揮官自身は、シェアの能力を疑ったことはない。ハウ監督はボーンマスを率いていた頃、当時ホッフェンハイムに所属していたシェアを獲得しようとしたことがある。また2018年にニューカッスルの選手として、シェアは鼻を折りながらもタフにプレーし、ハウ監督のボーンマスを下したことがある。

 そして昨季前半戦には定位置を約束されていなかった彼を、ハウ監督はレギュラーに据えている。

 白眉はフォレストとの開幕戦で決めた凄まじいロングシュートによる先制点だが、守備者としての本業も抜かりなく、開幕2試合の無失点に貢献している。

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