今季プレミアリーグの大注目選手を英国人記者が選定。「ビッグクラブが欲しがる新鋭」「極上のスキルと創造性を備える」MF&FW6人

  • オリバー・ケイ●文 text by Oliver Kay
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

プレミアリーグ今季注目の11人/MF&FW編  GK&DF編>>

世界最高峰のイングランド・プレミアリーグで、今季見逃せない選手たちを自国英国人記者に紹介してもらう。ここではMF&FWの6人が登場。20歳の新鋭から、今季も変わらず違いを見せるMFなど、多彩な顔触れが並んだ。

◆ ◆ ◆

今季マンチェスター・シティのベストプレーヤーと言えるデ・ブライネ photo by Getty Images今季マンチェスター・シティのベストプレーヤーと言えるデ・ブライネ photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る

20歳の新鋭と今季も必ず違いを作る31歳

MF/モイセス・カイセド(ブライトン&ホーブ・アルビオン)

 並み居る一線級のなかから、あえて20歳のセントラルMFの新鋭を選びたい。

 昨年2月に加入した時はほとんど注目されず、そのシーズンは出番がなかったが、昨季前半戦に期限付きでベルギーへ移り、後半戦に呼び戻されると、負傷者の多かったチーム事情もあり、4月の敵地でのアーセナル戦で初先発。プレミアリーグのデビュー戦で堂々たるパフォーマンスを見せ、決勝点をアシストし、2-1の勝利に寄与した。

 以降は先発の座を守り、5月のユナイテッド戦では精緻なミドルシュートでリーグ初得点を記録した。

 そして再びユナイテッドと対戦した今季開幕戦でも、俊敏な動きと粘り強い守備、巧みな球捌きとパスワークで、2-1の勝利に貢献している(オールド・トラフォードにおけるブライトンの初勝利)。

 18歳でエクアドル代表デビューし、すでにこの年齢で23キャップを記録。カタールW杯でも活躍が期待されており、さらにここにきて、ユナイテッドとリバプールが食指を伸ばしているとも噂されている。かくも容易くプレミアリーグで力を発揮しているのだから、ビッグクラブが欲しがるのも無理はない。

MF/ケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)

 驚きや真新しさで言えば、リーズ・ユナイテッドの新戦力ブレンデン・アーロンソンあたりも面白いが、やはりシティの背番号17をここに記さないわけにはいかない。ピッチにひとたび足を踏み入れると、必ず違いを作るのがケビン・デ・ブライネだ。

 ウェストハムとの開幕戦では、球足の長いスルーパスを通してアーリング・ハーランドの2点目をお膳立て。次のボーンマス戦では右足のアウトサイドで自らもネットを揺らしたうえ、フィル・フォーデンの追加点をアシストした。直近のニューカッスル戦では、またしても守備陣を一瞬にして無力にするスルーパスでベルナルド・シウバのゴールを演出している。

 極上のスキルと創造性を備える一方で、ほぼ足を止めることはなく、守備のタスクもしっかり全うする。ハーランドを加えてシティのスカッドはさらに豪華になったが、ベストプレーヤーが誰かと問われれば、今季も変わらずこの31歳のベルギー代表と答える人は多いはずだ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る