今季プレミアリーグの大注目選手を英国人記者が選定。「ビッグクラブが欲しがる新鋭」「極上のスキルと創造性を備える」MF&FW6人 (3ページ目)

  • オリバー・ケイ●文 text by Oliver Kay
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

チームの絶対的な主力

FW/ガブリエウ・ジェズス(アーセナル)

 ジンチェンコと同様に、シティの"いち選手"から、アーセナルの"絶対的な主力"となり、その責任を楽しんでいる。前所属先ではジョゼップ・グアルディオラ監督の信頼を掴みきれなかったが、新天地では旧知のミケル・アルテタ監督からエースの座を任され、これまでのところ、その期待に完全に応えている。

 今季の3試合で見せたパフォーマンスは凄まじいものだ。見るからにモチベーションが高く、最高のコンディションを保ち、キレのある動きで相手DFを翻弄。

 足元で球を持てば、俊敏かつスキルフルな所作で局面を進め、長いボールの処理や空中戦でも、強い軸を生かして当たり負けすることはなく、多彩なアイデアで起点となる。あらためて、非凡な決定力も見せつけている。

 ジェズスが前線の中央に入ると、アーセナルはこれまでとまったく別のチームになる。第2節のレスター戦では、2得点2アシストで全4ゴールに関与し、4-2の勝利の原動力に。この好調を長くキープすれば、真のトップストライカーと呼ばれる日が来るはずだ。

FW/アレクサンダル・ミトロビッチ(フラム)

 シティのアーリング・ハーランド、ニューカッスルのカラム・ウィルソン、リーズのロドリゴあたりと迷ったが、昇格組フラムの躍進の立役者を選出した。

 アレクサンダル・ミトロビッチのことを、プレミアリーグであまり得点を奪えないストライカーだと決めつけていた人は、イングランドに少なからずいる。実際、ニューカッスルでの2015-16シーズンは9ゴール、フラムでの2018-19シーズンは11ゴールに終わったが、降格していったチームのなかでは健闘したと言える。

 昨季はチャンピオンシップ(イングランド2部)で43得点と史上最多得点のトップスコアラーとなり、リーグ最優秀選手にも輝いた。

 今季は5度目の挑戦となるプレミアリーグで、これまでと別人のような姿を披露。リバプールとの開幕戦では、フィルジル・ファン・ダイクのマークをものともせず、2得点を決めて2-2のドローに貢献した。

 次のウルブス戦ではPKを止められてしまったが、翌節のブレントフォード戦では90分に決勝点を奪って英雄に。カタールW杯のダークホースと目されるセルビア代表の浮沈の鍵を握る存在でもある。

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