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1対1ブンデス最強の遠藤航に徹底マンツーマン。強豪クラブの対策にデュエルマスターの考えは? (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

ブンデスで最も若いチーム

 2021−22シーズンに起用された選手の平均年齢を見ると、シュツットガルトは1部18チームで最も若い23.5歳だった。だが、今季はさらに拍車がかかり、開幕時点で平均年齢22.7歳。引き続き、1部トップの若さでメンバーが構成されている。

 そんな若人を束ねる立場にあるのが、2シーズン連続で主将を務める29歳の遠藤だ。ただし「キャプテンとしての心境」という点で大きな変化はなく、これまでと同じ姿勢を貫く構えだと言う。

「特に変わらないですね。またゼロからのスタートというか。昨シーズン、とにかく(1部に)残れたということがチームにとってはすごく大きくて。やっぱりブンデス(1部)でやり続けるってことは、そんなに簡単ではないので。自分たちは若いチームだし、毎回、毎回しっかり残っていかなきゃならない。

 若い選手が1シーズン(1部を)経験して(2部に)落ちてしまうのと、もう1回ブンデス1部でやれるというのは、大きな違いがある。若い選手たちをどんどん、どんどん成長させていくところが、ウチのチームの在り方だと思う。そのサポートを、自分がキャプテンとしてやっていく。プレー面でも引っ張っていきたいです」

 もうひとりの日本人、伊藤もまだ23歳。昨年夏、当初はセカンドチームに加入する予定でありながら、瞬く間に1軍の主力に定着した。

 立場が変わって迎えた今シーズン。心持ちに変化はあるのか尋ねると、「いやぁ、やっぱりポジション争いが厳しいんで、油断はできない」と苦笑を浮かべた。

 しかし、「ある程度、監督の信頼があるなかでのスタートで、ケガをしないこと、コンディションよくスタートを迎えることはできたかなと思っています。去年みたいに自分たちが苦しまないように、ポイントをひとつひとつ取っていきたいなと思います」と、その発言からはレギュラーの自覚も感じられた。

 この日の試合でも堅実な守備に加え、後半4分には相手の隙を見逃さず、逆サイドへ鋭い弾道のダイアゴナルパスを通し、観客を大いに沸かせている。

「自分がいる意味というか、そこはひとつストロングとして。監督があれ(逆サイドへの大きな展開)を(戦術として)チームに植えつけてくれている部分だとは思うんで。起用に応えられるようなパフォーマンスができるように、やっていきたいなと思います」

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