マンチェスター・ユナイテッドの失われた9年。「ポスト・ファーガソン」迷走の責任は誰にある? (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

サポーターの不満の矛先は?

 そして、モウリーニョとポグバの対立が表面化したことが決定打となり、シーズン途中でモウリーニョは解任の憂き目となった。そのあとを引き継いだのが、今シーズンの途中まで続いたスールシャール政権である。

 その間の成績は、途中就任の初年度が6位、2年目が3位、3年目は2位と、着実に成績を浮上させることには成功した。しかし、スールシャールにシティのグアルディオラやリバプールのユルゲン・クロップと肩を並べるほどの手腕を期待できるはずもなく、最終的にはその経験不足が限界を露呈したのが今シーズンだったと言える。

 結局のところ、ポスト・ファーガソン時代の顕著な問題は、選手獲得に大金を投じてもその多くが投資に見合った活躍をできていないことにある。そして何より、チーム成績やサッカーの内容よりもビジネス的マネーゲームがフロントの目的に見えることが、サポーターの不満を爆発させている最大の原因と言えるだろう。

 彼らグレイザー・ファミリーが経営権をにぎる間、果たしてユナイテッドはプレミアの頂点に返り咲くことができるのか。迷走状態からの脱却を目指す来シーズンも、その動向に注目が集まる。

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