中村俊輔がリヴァプールとレアルを分析。CL決勝は「GKのセーブが勝敗を分ける気がする」

  • PROMOTION 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 2021-22シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝が、日本時間の5月29日(日)午前4時にキックオフとなる。対戦カードは、リヴァプール対レアル・マドリード。ともに世界屈指のタレントをそろえる、超一流クラブだ。
 
 現代サッカーの潮流を学べることもあり、この名門対決に大きな注目が集まっている。横浜FCの中村俊輔もこの決勝戦を楽しみにしているひとりだ。かつてセルティック(スコットランド)で決勝トーナメント進出の立役者となるなど、UEFAチャンピオンズリーグの熱狂を肌で感じてきた中村に、このクライマックスの見どころを聞いた。
欧州サッカーを常に注視しているという中村俊輔欧州サッカーを常に注視しているという中村俊輔

パワーを生み出す個の融合

 今季のチャンピオンズリーグを見ていて感じるのは、明確なストロングポイントを持つ選手を抱えているチームが、少しずつチーム戦術を凌駕するようになっているということですね。それは、決勝戦に勝ち上がったレアル・マドリードとリヴァプールにも共通していると思います。

 もちろん、レアル・マドリードにもリヴァプールにもしっかりとしたチーム戦術があって、それはそれでとても重要な要素になっているとは思います。ただ、両チームに共通しているのは、誰かひとりというのではなく、複数人の優秀なタレントが揃っていて、その個々の能力が融合した時に、チームとしてものすごいパワーが生まれている印象です。

 たとえば準決勝第2戦のビジャレアル対リヴァプール戦でのリヴァプールから、とくにそれを感じました。ちなみに、自分もあのスタジアム(エスタディオ・デ・ラ・セラミカ)でプレーしたことがあって印象深かったので、明け方に起床してライブでテレビ観戦していました。

 前半はリヴァプールにとって2点を奪われるなどうまくいかない時間帯でしたが、そのなかでもファン・ダイクが斜めにロングボールを入れてサラーに預けるプレーが、何度かありました。サラーもそれをわかっているので、敢えてロングボールを受けやすいポジションをとっていて、そのパスがピタッと収まらなかったとしても、それがボディブローのような効果になって、後半からの攻勢につながったと思います。

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