2022.05.19

マンチェスター・ユナイテッドの失われた9年。「ポスト・ファーガソン」迷走の責任は誰にある?

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 プレミアリーグ第36節のブライトン戦で完敗し、最終節を待たずしてマンチェスター・ユナイテッドの来季チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得の可能性が消滅した。

 今シーズンのユナイテッドは、就任4シーズン目のオーレ・グンナー・スールシャール監督が昨年11月に成績不振により解任されると、マイケル・キャリック暫定監督を経て、ラルフ・ラングニック暫定政権が誕生。同時にラングニックは来シーズンからのチームコンサルタントに就任することが発表され、先行き不透明なシーズンを送っていた。

 結局、来シーズンからは現アヤックス監督エリック・テン・ハフの就任が発表されたが、チームコンサルタントのラングニックは今シーズン終了後にオーストリア代表監督に就任することが決定。同職と兼任する格好になるなど、相変わらずの迷走状態が続いている。

ロナウドが加入しても「赤い悪魔」の復活は遠いロナウドが加入しても「赤い悪魔」の復活は遠い この記事に関連する写真を見る  27年も続いたサー・アレックス・ファーガソン時代の終焉から、もう9シーズンが経過した。この失われた9年間で、ユナイテッドに何が起こったのか。中長期的なチーム強化を目指すテン・ハフ政権で完全復活するためにも、あらためてその時代を振り返ってみる。

 ボタンの掛け違いは、ファーガソンから直々に後継者指名を受けたスコットランドの同胞、デイヴィッド・モイーズ(現ウェストハム監督)時代にさかのぼる。

 当時のモイーズはエバートンで長期政権を敷き、高い評価を集めていた。だが、夏の移籍市場で思うような補強が実現せず、目立った即戦力はエバートンから獲得したMFマルアン・フェライニ(現・山東魯能)のみ。それが、ケチのつきはじめだった。

 もっとも当時のユナイテッドには、FWロビン・ファン・ペルシ(2019年引退)、FWウェイン・ルーニー(現ダービー監督)、DFリオ・ファーディナンド(2015年引退)をはじめとする黄金期の主軸が残留し、十分にタイトルを狙えるだけの陣容は整っていた。

 ところが、序盤から波に乗れないまま勝ち点を失い続けると、クロスボールに偏った戦術が限界を露呈。リーグ中位をさまようなか、わずか10ヶ月足らずでモイーズは解任の憂き目に遭った。