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PSGの攻撃バリエーションは異常なレベル。メッシもネイマールも楽しそうだ (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 また、CL第3節のライプツィヒ戦では自らPKを得た瞬間、メッシを指さしキッカーに指名。試合終盤にハキミが得たPKシーンでは、今度はメッシがエムバペを指名した。残念ながらミスしてしまったが、その頃からふたりの関係は急接近した印象だ。

 実際、目下3年連続リーグ・アン得点王のエムバペは、メッシのデビュー前に5ゴールを量産していたが、それ以降は2ゴールとペースダウン。決して調子を落としたわけではなく、逆にアシストが急増し、現在はリーグトップの7アシストをマークする。

 その傾向は、メッシにも言える。最初の頃は、チーム全体に"ボールを持ったらメッシを見る"傾向が強かったが、最近はメッシがフリーでもそれをおとりに、スムースに別の選択をできるようになってきた。

 それにより、現在のメッシはいい意味で"ワン・オブ・ゼム"になっているのだが、冒頭のサンテティエンヌ戦では全3ゴールをアシスト。CLよりもゴールを狙うチャンスが多いリーグ・アンでまだ1ゴールしかないメッシだが、焦りは微塵も感じさせない。多くのものを背負って戦い続けたバルセロナ時代と違い、PSGでは純粋にサッカーを楽しんでいるように見えるのだ。

 もうひとりのネイマールも然り。

 MNMの4−3−3で挑んだ第14節のナント戦で、後半65分にGKケイロル・ナバスが一発レッドで退場処分となると、やむなく指揮官はネイマールをベンチに下げた。昨季までのネイマールなら、そのままロッカールームに消えてもおかしくないような状況だ。だが、悲しそうな表情をしながらも、エムバペとメッシなら仕方がないといった心境だったのか、そのまま静かにベンチに腰かけた。

 これらはほんのひと握りのシーンであり、おそらくピッチ外を含めれば、3人の関係は格段に深まっていると見ていい。

 特にネイマールが調子を上げつつある最近は、ハーフタイム後にピッチに登場する際、3人が楽しそうに何かを話しているシーンをよく見かけるようになった。もちろんエムバペのスペイン語が向上していることもあるが、そのシーンとシンクロするように、3人のコンビネーションは高まっている。

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