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バルサBの安部裕葵、来季への分かれ道。2部昇格最終プレーオフへ (2ページ目)

  • 小宮良之●文text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

◆メッシを生んだバルサのルーツ。「小さな選手に目をかけろ」>>

 その筆頭は、アメリカ代表の19歳、FWコンラッド・デ・ラ・フエンテだろう。ドリブルはネイマールを想起させるが、カウンターから一発で沈めるなど、ストライカー的な要素が強い。トップデビューを果たす一方、バルサBのエースとして活躍。一次プレーオフ正念場のアルコジャーノ、イビサ戦で連続して得点を記録するなど、有力株として急上昇中だ。

 19歳のMFニコ・ゴンサレスも、トップへの足掛かりを作りつつある。伝統の4-3-3システムで、アンカーとしてプレー。セルヒオ・ブスケッツの系譜で、スキルとビジョンを併せ持つ。現代ボランチに必要な高さ(身長188センチ)もあり、弱点がない。1990年代から2000年代にデポルティーボ・ラ・コルーニャで活躍した左利きMFフランの息子というサラブレッド。久保建英(ヘタフェ)とはチームメイトだった。

 アレックス・コジャードは22歳の左利き万能アタッカーで、2018-19シーズンにすでにトップデビューしている。今シーズンはキャプテンとしてバルサBをけん引。ビジャレアルB戦で左足のFKを決めるなど、技術的には申し分なく、トップ昇格がない場合は他の1部クラブへの移籍が有力だ。

 大穴が「ペケ」と呼ばれる18歳、ジェラール・フェルナンデスだろう。「右利きのメッシ」といった風情で、小さい体でペナルティエリアに突っ込む様子は迫力満点。ビジャレアルB戦では得点につながるFKとPKを奪い、イビサ戦でも決勝点をアシストした。

 安部も、復帰直後にいきなり運命のプレーオフを戦うなど、非凡さは示している。左サイドが主戦場だが、ゼロトップや右サイドも担当できる攻撃のユーティリティ。スキルと戦術眼の高さは疑いようがない。

 ただ、現状はトップフォームを取り戻すことが先決だろう。

 復帰2試合目のアルコジャーノ戦は後半途中から出場し、ドリブル突破で相手のイエローカードを誘い、右サイドから決定的クロスも送った。ただ、パスのタイミングが合わず、ドリブルでボールを失い、ゴール前の競り合いでボール奪い切れずに相手にミドルを叩き込まれた。試合勘の不足を含め、本来の出来ではない。

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