メッシを生んだバルサのルーツ。「小さな選手に目をかけろ」
バルセロナの不安定な魅力2
世界最高の選手、リオネル・メッシはどのように生まれたのか。その答えを知ることは、バルセロナの本質へ迫るに等しい。
「小さな選手に目をかけろ」
現代バルサの始祖とも言える故ヨハン・クライフは、そう主張している。
「小柄なことはマイナスではない。(ユース年代で)小さくて目立つ選手は、大きな選手を相手にボールテクニックで打ち負かす術を、時間をかけて身につけている。だから大人になって、大柄な相手にも自然と優位を得られるのだ」
故ヨハン・クライフ元バルセロナ監督(右)とシャビ・エルナンデス バルサにおいては、技術が第一に問われてきた。
下部組織「ラ・マシア」では、相手の守備を壊すプレーを叩き込まれる。人とボールの動き方をオートマチズム化し、その精度と速度を高める。「ボールありき」のプレーモデルのなか、選手は技術をとことん鍛えられる。シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタという小柄な2人は刺激し合い、その技を極めてきた。そして変異的に力を持ったメッシという最高傑作が生まれたのだ。
そのルーツが、クライフが作った"ドリームチーム"と言える。
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