メッシ、ロナウド後の欧州サッカーは混沌。スーパースターは必要か? (2ページ目)
バルセロナはレアル・マドリードとは逆に、リオネル・メッシ中心のチームから脱却できずにいる。マックス値が更新されないサッカーを展開している。PSGに敗れた決勝トーナメント1回戦は、極めて順当な結果と言えた。
ロナウドとメッシは、ご承知のように2008年から2017年までバロンドールを獲得し合ってきた。その10年間は2人の天下だった。2018年、バロンドールはルカ・モドリッチの手に渡り、その流れが止まるものの、翌2019年は再びメッシが奪還。時計の針は進まずにいた。
2020年は、コロナ禍の影響で選考が中止。受賞者を拝むことができなかった。現在のCLは王座が空位の中で行なわれている。つまり、今年の年間最優秀選手は誰かを占う大会でもある。
若手の候補ではアーリング・ハーランド(ドルトムント)。もし去年、選考が行なわれていれば、最有力候補だったとされるのがロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)。ベスト4に勝ち残っている選手の中では、PSGを牽引するアタッカー、キリアン・エムバペ、ネイマールも有力な候補になる。ブックメーカーから本命視されているマンチェスター・シティでは、ケヴィン・デ・ブライネだろう。
今年は、CL決勝戦後に開催が予定されているユーロ2020で活躍した選手も、バロンドールの有力な候補になるが、現在が、メッシ・ロナウド以後の混沌とした世界にあることは確かだ。
PSG対マンチェスター・シティの話をすれば、両軍は対照的なスタイルのサッカーをする。PSGは、バロンドール候補であるエムバペ、ネイマール、そしてアンヘル・ディ・マリアの3人に攻撃を委ねるスタイルを取る。いわばカウンターサッカーだ。かつてのイタリアサッカーを彷彿とさせるスタイルと言うより、ユーロ2004を制したギリシャのサッカーに似ている。
カウンターと言えば、攻撃は真ん中に偏りがちだ。フィールドプレーヤー10人が、二等辺三角形(クリスマスツリー型)を描くことになるが、PSGは真ん中に加えて両サイドがあるので、3方向に広がりのあるカウンターを仕掛けることができる。
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