2021.04.27

乾貴士、武藤嘉紀の現状と来季は? 降格危機の最下位エイバル

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 リーガ・エスパニョーラは残り5試合。乾貴士、武藤嘉紀とふたりの日本人選手が所属するエイバルは最下位に沈んでいる。下位3チームは2部へ降格で、残留圏17位のエルチェとの勝ち点差は7。道のりは険しい。

 4月26日には、本拠地イプルアで同じバスク地方のレアル・ソシエダと戦ったが、0-1と敗れている。最近15試合は4分け11敗。打つ手がない。

 ホセ・ルイス・メンディリバル監督が率いて6年目になるエイバルは、前線からの激しい守備とハイラインによる果敢な攻撃でセンセーションを呼び、1部の座を守ってきた。クロスや球際の強度を高め、選手のやるべき仕事を明確化。選手の成長を促してきたが、今季は主力の高齢化や移籍によって、そのバランスが崩れてしまった。

 エイバルでのプレーが5シーズンになろうとしている乾、そして今シーズン入団した武藤の現状とは――。

今季はここまで26試合に出場、1得点の乾貴士(エイバル)今季はここまで26試合に出場、1得点の乾貴士(エイバル)  今シーズンの乾は「レギュラーと準レギュラーの間」と位置付けられるか。リーガでは33試合中26試合に出場し、21試合に先発している。しかし直近のレアル・ソシエダ戦は2試合連続ベンチで、出場機会がなかった。

 スペイン挑戦6シーズン目。乾ほどコンスタントに試合に出場し、長く戦い続けてきた日本人選手はいない。メンディリバル監督に攻守両面で鍛えられ、エイバルで主力となり、ベティスでは苦労したがアラベスで復活し、エイバルで再び居場所を取り戻した。歴史的な功績をあげたリーガ日本人選手だ。

 チームが不調の今シーズンも、目立って悪いわけではない。左サイドの定位置を売り出し中のスペイン代表ブライアン・ヒルに奪われることになったが、前半戦は右サイドやトップ下でポジションを見出した。有力な攻撃カードだったことは間違いない。バルセロナ戦では、浮き球のロングパスをワンタッチでコントロールしオスカル・ミンゲサを置き去りにしたように技術は出色だ。

 主力選手として、ゴールへの意識の高さを見せたシーズンとも言える。プレーの選択肢の第一に、常にゴールがあった。積極的にシュートを打つ場面が目立ち、その姿勢は高い評価を受けた。