主役級「曲者」。ディ・マリアはビッグクラブに不可欠な名バイプレーヤー

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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 それなりの活躍はした。しかし、わずか1シーズンでパリSGに移籍してしまった。ルイス・ファン・ハール監督と合わなかった、プレミアの水になじめなかったなど、理由はいろいろあるだろうが、そもそも主役が似合わなかったのではないかという気がする。

 ディ・マリアには、絶対的エースの周囲で暗躍する役回りのほうが合っていて、圧倒的バイプレーヤーなのだと思う。

<ディ・マリアだけは出すな>

 アルゼンチンのロサリオで生まれ、地元の名門ロサリオ・セントラルで17歳の時にプロデビュー。最初はサイドバックだった。だが、サイドバックとしてのディ・マリアはスタミナ不足や対人の弱さが指摘され、コーチからは「プロでは無理だ」と言われた。

 ところが、ウイングにコンバートしてみたらテクニックとスピードを遺憾なく発揮して活躍。07年にはポルトガルのベンフィカへの移籍が決まる。ディエゴ・マラドーナは「2年以内に世界的スターになる」と太鼓判を押し、2009-10シーズンにはリーグMVPに選出された。

 10年にレアル・マドリード(スペイン)へ移籍。2013-14シーズンのCL優勝に貢献した。カルロ・アンチェロッティ監督(イタリア)は「ディ・マリアだけは出すな」と言いおいてオフに入ったにもかかわらず、レアルは彼の放出を決め、マンチェスター・ユナイテッドへ移っている。トニ・クロース(ドイツ)、ハメス・ロドリゲス(コロンビア)の加入が決まっていて、MFが飽和状態になっていた。

 アンチェロッティが「ディ・マリアだけは出すな」と言ったのは、チームにとって最も重要な選手だと考えていたからだろう。

 主役ではない。当時、表のスターはクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)であり、ガレス・ベイル(ウェールズ)、カリム・ベンゼマ(フランス)だった。ただ、スターだけでチームは回らない。とくにレアルのようなスターをコレクションしてくるようなチームでは、スターの間で潤滑剤となる存在こそが重要だった。

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