デル・ピエロが現場復帰? 引退後の紆余曲折を経て監督コース入り (3ページ目)
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店は大成功し、今では多くのハリウッドセレブを顧客に持つ。そしてミラノにも逆輸入の形で2号店をオープンしたが、残念ながらこちらの店はコロナ禍の直撃に遭い閉店したという。
もちろんサッカーの世界との縁が切れたわけではなく、アメリカでも様々な活動をしている。まずは「ADP10サッカーアカデミー」を立ち上げ、アメリカの少年たちにサッカーを教えた。このスクールは後にユベントスが世界で展開する、ユベントスアカデミーの傘下に入った。
2019年にはユナイテッド・プレミア・サッカーリーグに属するサッカーチーム、LA10 FCの共同オーナーとなった。もちろんユニホームは白と黒の縦縞である。
サッカー関係の企業にも投資を行なっている。
イタリアの「カルチョ・フィナンツァ」誌によると、イスラエルに本部を置くバーチャルスポーツマーケティング会社「STADS」のアドバイザーに就任。この会社には投資もしているという。STADSはスタジアム広告をメインにスポンサーとチームを結びつける企業で、ミランやドルトムントも彼らの顧客だという。
「僕がサッカーを始めたころと今とでは、チームとスポンサーの関係はまるで違う。昔はチームにいくつかのスポンサーがつくだけだったが、今は細かく細分化され100近くのスポンサーが存在する。だからこそこういう会社が必要なんだ」
デル・ピエロは語る。
「僕は幸運にも選手時代に多くの資産を手に入れることができた。今はそれをどのように運用するかが問題だが、大きな山を当てるより確実なものに投資していきたいと思ったんだ」
堅実な資金運用のおかげか、2018年にはロサンゼルスの超高級住宅街ベルエアに550万ユーロ(約7億円)の豪邸を購入。5寝室に6バスルーム、シネマルーム、巨大なプール、トレーニングルームやスパもあるという。ご近所にはジャック・ニコルソンやシルベスター・スタローン、ジェニファー・ロペス、ロッド・スチュワートなどがいるそうだ。
もちろん、イタリアのサッカー界とのつながりも切れてはいない。2015年からはスカイスポーツの解説を務め、アメリカとイタリアを行き来している。また昔の仲間たちとも親密で、特に2006年にW杯を勝ち取ったメンバーたちとはグループチャットでつながっているという。
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