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武田修宏、岡崎慎司、リトマネン...「ごっつぁんゴール」の名手とそのスゴさ (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 前半41分、アヤックスがゴール正面で得たFKを蹴ったのはフランク・デ・ブールで、ユーベのGKアンジェロ・ペルッツィは、正面に向かってきたこの左足シュートを、両手の拳で弾き返した。

 その瞬間、いち早くリバウンドに反応したのがリトマネンだった。ハンドオフを使ってボールをがっちりキープ。立ち足を、狙った方向に確実に定め、それに対し蹴り足を直角に開いて押し出す、インサイドキックの教科書通りの体勢を、瞬く間に作り上げた。アイスホッケーのスティックさばきを見るかのような、一般的なサッカー選手からは拝むことができない、異能派らしい芸当だった。

 動体視力を磨け。これは「得点感覚を磨け」、あるいは「ゴール前のポジション感覚を磨け」と言うより、トレーニングとしてはるかに効果的ではないか――とは、当時、リトマネンを見ていて抱いた印象だ。日本にもリトマネンのような選手が出現する日が訪れることを期待したい。

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