2021.02.10

久保建英が体感したレアルとの距離感。1軍半の王者は慌てなかった

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 2月9日、リーガ・エスパニョーラ王者レアル・マドリードは、ヘタフェを2-0と軽くひねりつぶしている。チームは成績不振とケガ人続出で、ジネディーヌ・ジダン監督の去就も取りざたされるほど、不穏な状況だったが、「1軍半のレアル・マドリードで十分」と、スペイン大手スポーツ紙『アス』は、ヘタフェ戦後の見出しを打った。

 この試合、ジダン・マドリードは、変則的な3-4-3のシステムで挑んでいる。セルヒオ・ラモスの戦線離脱によるセンターバック補強のために3バックを採用。左ウィングバックのような位置で久々の先発に入ったマルセロは、プレーレベルの低下で批判を浴びていたが、その攻撃センスを生かして起点となっていた。右には、カスティージャ(セカンドチーム)から若いマルビン・パクを引き上げた形だ。

 いわば、苦肉の策と言える布陣。しかし、ヘタフェを下すにはそれで十分だった。

 ヘタフェに所属する久保建英は、レアル・マドリードの所有選手でもある。レンタルでのプレーは武者修行とも言えるだろう。いつか戻って、白いユニフォームを着ることがひとつの目標だ。

 この日、久保が体感したマドリードとの距離感とは――。

レアル・マドリード戦で先発を外れ、54分から出場した久保建英(ヘタフェ) レアル・マドリード戦で先発から外れた久保は、54分にフランシスコ・ポルティージョに代わって出場している。

 今年1月、ビジャレアルからヘタフェに移籍すると、最初の2試合、久保は勝利に大きく貢献していた。同じく移籍してきたカルレス・アレニャはバルサの薫陶を受けた選手だけに、通じ合う部分が多かったのだろう。やはりバルサ出身のマルク・ククレジャも含めて、長年プレーしてきた者同士のような攻撃を見せた。もっとも、相手はあくまでエルチェ、ウエスカという昇格組だった。

 その後、ヘタフェはスペインスーパーカップで優勝したアスレティック・ビルバオには5-1で大敗。アラベスには本拠地で、スコアレスドローに終わっている。チャンピオンズリーグでベスト16に進んでいるセビージャには、やはり3-0で完敗した。3試合、勝ち星から見放されることになった。