松井大輔が見たベトナムサッカー事情。実はベテランにとって厳しい環境
松井大輔インタビュー@前編
コロナ禍で突き進んだ異例のシーズンの閉幕が近づく2020年12月3日、横浜FCの松井大輔がベトナムのサイゴンFCに移籍することが発表された。プロキャリアの約半分を海外で過ごしてきたとはいえ、今年5月に不惑を迎えるベテランが再び異国の地に旅立つ決心をしたことは、多くの人に驚きを与えた。
あれから2カ月が経った今、松井はベトナムの地で何を感じ、39歳の選手としてどのような日々を送っているのか。パソコンの画面越しに現在地を語ってくれた。
39歳にして新天地にベトナムを選んだ松井大輔---- 去年の12月中旬に日本を発ってから約1カ月半が経ちました。もうベトナムの生活には慣れましたか?
「こちらに到着してから12月26日の朝に解放されるまで、2週間の完全隔離生活だったので、実質的にはまだ1カ月くらいですね。僕が住んでいるホーチミンの中心地には高層ビルやマンションがたくさんあって、すごく近代的な街という印象です。
もちろん、街の中心から離れるとローカルなエリアが残っていますけど、来る前に想像していた東南アジア的なイメージとは全然違っていました。それと、みんな早朝6時くらいから働き始めるので、朝から街全体が動いていて、とにかくエネルギーがみなぎっている感じがしますね」
---- 開幕戦は大観衆の前でプレーしていましたね。突然アフターコロナのベトナムに身を置いて、コロナ禍の日本とのギャップを感じませんでしたか?
「最初は驚きました。満員のスタジアムはもちろんですけど、みんな普通に大勢でご飯を食べていますし、人と話す時もソーシャルディスタンスを取らずに対面で話しているので、慣れるまでは違和感がありました。現在は市中感染もないみたいなので、映画やコンサートの上映も通常どおりですし、ほとんどの人はマスクなしで生活しています」
(編集部注:その後ベトナムでは再び感染者が確認されたため、複数都市をロックダウン。ベトナムVリーグも第3節の5試合が延期され、サイゴンFCの試合は無観客で行なわれた)
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