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松井大輔が見たベトナムサッカー事情。実はベテランにとって厳しい環境 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • サイゴンFC●写真提供 photo by Saigon FC

---- 日本とベトナムでは、シーズン中の活動スケジュールに違いはありますか?

「全然違いますね。とにかくこっちは一日の拘束時間が長い(笑) たとえば、試合がない日は朝7時に家を出てホテルに移動して、みんなでバスに乗って練習場に行く。で、練習後にホテルに戻って11時45分からランチを食べて、また15時にはバスに乗って練習場に行き、ホテルに戻るのが18時半頃。19時からホテルで夕食を食べて、僕はそのあとに身体のケアをしてからお風呂に入るので、もうそれだけで一日が終わる感じです。

 基本的に試合翌日が休みなんですけど、空いた時間にイベントや孤児院訪問といった社会貢献活動にも参加するので、実際問題ほとんど休みがないですね。でも、これがベトナムのスタンダードだと聞いています。ベトナム人は自己管理ができないから、拘束時間を長くするしかない、ということみたいです(笑)」

---- ベテランにとっては厳しい環境ですね(笑)。では、初めてVリーグデビューした開幕戦での自分のパフォーマンスを振り返ってもらえますか?

「全然ダメでした。まず、普通は6〜8週間かける準備に2週間しかなかったので、コンディションが50%以下。だからボールを受けて返す程度しかできなかったし、前を向けたのも数回でした。

 ただ、まったく自分のプレーはできなかったけど、僕がプレーすることで周りの士気を上げたいということは意識しました。まずはこっちのサッカーにも慣れないといけないし、とにかく身体が出来上がってからが勝負ですね」

---- 近年は1月に三浦知良選手のグアムキャンプに参加するのが恒例だったので、それができない今年はコンディション作りが難しそうですね。

「最初の2週間隔離で、一度筋肉が全部落ちてしまったような感覚になってしまい、そこから上げていくのが難しかったです。39歳の選手が2週間も外でトレーニングができないなんて、もう致命的ですよ(笑)。

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