欧州サッカー3賢人がCLラウンド16・因縁の対決を徹底分析! (6ページ目)
◆欧州CL出場各クラブの現状を解析! コロナ下の超過密日程の影響は>>
中山 僕も、この試合に関してはユベントスが勝利する確率が高いと思います。ただし、アンドレア・ピルロ監督(イタリア)になった今シーズンは、以前のように強固な守備という武器があるわけではないので、ベスト8以降が正念場でしょう。ピルロはこれまで3バックをベースにしながら、4バックをオプションにしてチームづくりを進めていますが、まだ決め手となる解決策を見つけられていませんし、実際、国内リーグでも苦戦していて、セリエA9連覇でストップしてしまう可能性も十分にあります。ピルロはクラブのレジェンドでもあり、監督就任の経緯もレジェンド枠的な要素もあったのでフロントも今シーズンの結果だけで判断はしないでしょうが、CLでの采配ぶりが今後の判断材料になることは間違いないでしょう。
小澤 倉敷さん、元アヤックス(オランダ)のマタイス・デ・リフト(オランダ)についてはどのように評価していますか?
倉敷 今季のユーベはクリーンシートが少ない。複数失点も殆どしませんが、再び優勝候補となるには、最終ラインとゴールキーパーが以前のような強さを取り戻した時ではないかと思います。前線にはクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)というスペシャルなアタッカーがいるわけですから、とにかくディフェンス。デ・リフトはソリッドな守備の中心になって欲しいと期待されていますが、アヤックス時代から長足の進歩は遂げていない印象です。この決勝トーナメントでどこまでやれるか見てみたいですね。
次に、セビージャ(スペイン)対ドルトムント(ドイツ)です。この対戦についてはどのように見ていますか?
<若い選手の対決に期待。セビージャ対ドルトムント>
小澤 私は互角だと見ています。セビージャは、今シーズンのフレン・ロペテギ監督(スペイン)の戦い方、選手の使い方を見ると、スタメンとそれ以外の選手の実力差が相当に開いています。とくに守備陣のジュール・クンデ(フランス)、ジエゴ・カルロス(ブラジル)、フェルナンド(ブラジル)、ヘスス・ナバス(スペイン)、攻撃陣ではルーカス・オカンポス(アルゼンチン)を欠いた場合は、チーム力がぐっと落ちてしまいます。ですから、ベストの布陣で臨めるかどうかがセビージャにとってのカギになるでしょう。
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