欧州サッカー3賢人がCLラウンド16・因縁の対決を徹底分析! (3ページ目)

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倉敷 ポチェッティーノはいかにネイマールと良好な関係を築くのか? 小澤さんは、ポチェッティーノ監督をどう評価していますか?

小澤 エスパニョール(スペイン)の監督時代から、とくに攻撃はタレントを気持ちよくプレーさせるマネジメント型タイプの監督でした。そういう意味でもネイマールのようなスター選手には合っている監督だと思いますし、パリというクラブにもフィットすると思います。

倉敷 中山さん、ポチェッティーノ就任によって、パリは冬の移籍マーケットでどのような動きをすると予想しますか?

中山 さっそくトッテナム(イングランド)のデレ・アリ(イングランド)や、インテル(イタリア)で出番がないクリスティアン・エリクセン(デンマーク)らの名前が挙がっていますが、実際のところ、さすがのパリも現在は資金不足が否めません。ほかのビッグクラブ同様、コロナの影響で大幅な減収を強いられていますし、そんななかでリーグ・アンの国内放送権を所有していたメディアプロ社がシーズン中に撤退する事件も起きました。これによりリーグ・アンの各クラブの収入が大幅に減少することが決定的となり、しかも思うような価格で選手を売却できない現状を考えると、今冬は動けないのが実情です。仮にパリが補強するとしたら、懸案となっているチアゴ・シウバ(ブラジル/現チェルシー)の抜けた右センターバック(CB)の新戦力をピンポイント補強するのが最優先でしょう。

倉敷 バルセロナの現状は小澤さんにうかがいましょう。

小澤 2月にどのような状況になっているかによりますが、序盤と比べると第19節のレアル・ソシエダ戦(2020年12月16日)あたりから復調の兆しが見え始めた印象はあります。やはりバルサの場合、リオネル・メッシ(アルゼンチン)がやる気を出して、ある程度守備でも仕事をしてくれると全体の計算ができますしね。ロナルド・クーマン監督(オランダ)も基本的にはメッシに依存するかたちでチームづくりを進めていて、それを前提にしながら開幕から4-2-3-1を固定していました。

 当初クーマンは、前線の脇役をどのように固めるかという部分で苦労していましたが、ペドリ(スペイン)がトップ下、右にアントワーヌ・グリーズマン(フランス)、左は復帰したウスマン・デンベレ(フランス)で落ち着いてきたように見えます。さらに、1トップにマルティン・ブライスワイト(デンマーク)を置いて、彼が左サイドに流れてハードワークするかたちも生まれ、そこから最近は3バックや4-3-3を使うようにも変化してきました。今季最大の発見であるペドリ(スペイン)は、完全にメッシのパートナーとしてグリーズマン、コウチーニョ以上の存在に成長しました。

 ただ個人的には、最大のポイントになるのはフレンキー・デ・ヨング(オランダ)だと見ています。彼は動けて、さばけて、ドリブルでも持ち運べる。ここにきてエリア内への進入、ゴールも増えてきました。そうした点からも、今のバルセロナの中心にすべき選手です。守備時は彼があがって4-1-4-1にシフトしてハイプレスもできますし、もともとポテンシャルは高い選手なので、彼を中心に戦術を構築することができれば、当然パリに対しても引けを取らない戦いができると思います。それと、バルサはジェラール・ピケ(スペイン)とアンス・ファティ(スペイン)という重要戦力がパリ戦に間に合わないかもしれないので、そこが心配の種ですね。

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