欧州サッカー3賢人がCLラウンド16・因縁の対決を徹底分析! (4ページ目)
倉敷 バルサは、とてもとても重要な会長選挙を行ないますね。
小澤 私はジョアン・ラポルタとビクトル・フォントが有力だと見ていて、メディアではラポルタが最有力ですが、個人的にはビクトル・フォントになるのではないかという予想を持っています。フォントは明確に「次期監督はシャビ(・エルナンデス)にする」と言っているのですが、ラポルタは現在の財政状況も踏まえて「この選手を取ります、この監督にします」と宣言しない方針で選挙に臨んでいます。メディアを含めた影響力や人気ではラポルタが圧倒している印象ですが、新型コロナウイルスの影響で当初予定されていた1月24日の会長選挙が3月7日に延期されました。これが各候補者の選挙戦にどう影響するか。現状での最大の争点はメッシの去就になっていますが、選挙までにチームの成績やメッシの状態が悪化しているようなら当然「メッシなきバルサ」が争点になると見ています。
<監督対決が楽しみな、ライプツィヒ対リバプール>
倉敷 次は同日に予定されているライプツィヒ(ドイツ)対リバプール(イングランド)を展望します。ラップトップ世代のユリアン・ナーゲルスマン監督(ドイツ)と、そのひとつ前の世代でありながら現在もトレンドと言えるユルゲン・クロップ監督(ドイツ)の対決です。こちらも見どころが多いですね。
小澤 監督対決の楽しみという部分では、ラウンド16のなかで一番のカードだと思います。そのなかで、とくにライプツィヒがリバプールに対して、戦術的にどのようにハメるのか楽しみですね。もちろん現在のライプツィヒはボールを握ることもできますし、たとえばグループステージのマンチェスター・ユナイテッド戦でも、相手を分析しながらボールの運びどころや狙いどころをナーゲルスマンが用意して、論理的なサッカーができていました。ただ何となく行なうプレッシングではないのがライプツィヒの特徴でもあるので、リバプールにも臆することなく戦えるチームになっていると思います。
強いて不安材料を挙げれば、前線の駒が定まらない部分でしょうか。エミル・フォシュベリ(スウェーデン)やユスフ・ポウルセン(デンマーク)は決定力も含めてナーゲルスマンにそこまで信頼されておらず、だからこそダニ・オルモ(スペイン)がトップに置かれているのだと思うので、そこが弱点と言えます。ビッグゲームになった時に頼れるエースがいないのは、どうしてもマイナス材料になってしまいます。
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