いきなりイブラとロナウド。冨安健洋と吉田麻也の今季セリエAが開幕 (2ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Akiko Tonegawa
  • photo by Maurizio Borsari/AFLO

 DFでは、18歳のスコットランドのプレーヤー、アーロン・ヒッキーも獲得している。16歳でプロデビューし、バイエルンやチェルシー、セルティックも獲得に動いた若手有望株だ。こちらはケガの多かった左SBミシェル・ダイクスの控えとしての獲得だろう。ビッグクラブのように金はかけられないが、若く優秀な選手を獲得し、伸ばしていくというのがボローニャの方針のようだ。

「今シーズンの目標は、勝ち点52を超えることだ」

 ミハイロビッチ監督はイタリアメディアのインタビューにそう答えている。クラブの歴史の中でこれまでの最高ポイントは2001-2002の52。それを超えたいと言っているのだ。

 ちなみに昨シーズンの場合、52ポイントをとれば8位に入れる。EL出場のチャンスが得られるのは6位からなので、あわよくばEL圏内入りも目指しているのだろう。これまで「降格の危険性がない順位」を目指していたボローニャだが、今シーズンはさらに上を目指す。

 ボローニャは8月28日より、アルプスに近いピンツォーロという町で短い合宿に入った。しかし、そこに冨安の姿はなかった。8月22日に日本から帰国したので、イタリア保険省の決まりで一定期間の隔離が必要だった。だが、ボローニャの申し入れで特別に8月31日にはチームに合流することができた。

 ボローニャの初戦の相手はミラン。ミランが9月17日にELの予選をプレーしているため、試合は月曜日に行なわれる。中4日でプレーするミランに対して、ボローニャは多少有利かもしれない。ズラタン・イブラヒモビッチと冨安のマッチアップが楽しみだ。

 一方、昨季15位だった吉田麻也のサンプドリアは、降格に脅かされないシーズンを目指す。サウザンプトンからの期限付きレンタル期間が終了すると、吉田はサンプドリアに残留することを選んだが、それが1年になるか、2年になるかが話し合われていた。

 サンプドリアは吉田にできるだけ長くチームに留まってほしいと望んだが、経済的に苦しいので2年契約で年俸100万ユーロ(約1億2500万円)を提案したが、吉田側は従来の150万ユーロを主張。結局、契約は1年のみとなり、2021年の6月までプレーすることとなった。

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