久保建英も続け。「修業系レンタル移籍」で
開花したレアルの先輩たち

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

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 近年の移籍マーケットで急増している「レンタル移籍」。主力のケガによる長期離脱など、不測の事態が起きた場合に穴埋めとして代役選手を借りるパターンもあれば、高給取りのビッグネームがフィットせず、クラブの経済的負担を減らすためにその選手を貸し出すパターンもある。

ビジャレアルにレンタル移籍中の久保建英ビジャレアルにレンタル移籍中の久保建英 しかし、レンタル移籍の主流といえば、やはり青田買いした有望な若手を下位チームや他国リーグに貸し出す"修業系"レンタル移籍だろう。主にビッグクラブによくあるパターンだが、現在ラ・リーガで2年目を迎えるレアル・マドリードの久保建英も、それにあてはまる。

 初年度の昨季はマジョルカで経験を積み、今季はビジャレアルにレンタル移籍し、さらなる成長を目標にライバルと切磋琢磨する。「いずれはレアル・マドリードでプレーしたい」。久保はその目標にこだわって、レンタル移籍で修業を積んでいるわけだ。

 同じように、青田買い移籍のあとに修業系レンタル移籍を重ねる選手は数多い。レアルの過去を振り返ってみると、最終的に所属元クラブに定着した例としては、現在チームで主軸を張るウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデがその典型と言っていいだろう。

 現在22歳のバルベルデは、16歳の時にレアル移籍が内定し、FIFAのルールに従って18歳の誕生日を迎えたのち、ペニャロールから完全移籍を果たす。5年契約の初年度は、レアルのBチームにあたる「カスティージャ」でプレーした。

 そして2年目の2017−2018シーズンは、デポルティーボ・ラ・コルーニャ(当時1部)にレンタル移籍し、リーグ戦24試合に出場。そのうち半分にあたる12試合に先発した。

 だが、そのシーズンのデポルティーボは2度の監督交替劇が起きるなど不振が続き、最終的に2部に降格。バルベルデのパフォーマンスも次第にトーンダウンしてしまい、シーズン後半戦はスタメンを外れて苦い経験を味わった。

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