久保建英も続け。「修業系レンタル移籍」で
開花したレアルの先輩たち (3ページ目)
その一方で、モロッコ代表DFアクラフ・ハキミのように、修業系レンタル移籍で力をつけながら、レアルに復帰しないケースもある。ハキミはカスティージャからトップチームに昇格したのち、2年にわたりレンタル先のドルトムント(ドイツ)で成長。しかし今夏、インテル(イタリア)に完全移籍する道を選択している。
同じく、2017年夏にライバルのアトレティコ・マドリードから青田買いされたテオ・エルナンデスも、レアル・ソシエダへの修業系レンタル移籍を経て、昨夏ミラン(イタリア)に完全移籍。マルコス・ジョレンテはレンタル先のアラベスで経験を積んだあとにレアル復帰を果たすも、出場機会を得られないままアトレティコに完全移籍し、初年度となった昨シーズンにレギュラーの座を勝ち取っている。
そういう意味で、16歳で青田買いされ、今シーズンからレアルに復帰するノルウェー代表マルティン・ウーデゴールはとりわけ注目の存在になるだろう。
少年時代から脚光を浴びた"神童"は、2014−2015シーズンから3年にわたってカスティージャで経験を積み(トップチームではリーグ戦1試合に出場)、その後2016−2017シーズンから2年はオランダのヘーレンフェーンで、2017−2018シーズンはフィテッセで、そして昨シーズンはレアル・ソシエダで着々と成長を遂げ、21歳で迎えた今夏、満を持してレアルのトップチーム定着を目指す。
世界最高峰の選手層の厚さを誇るレアルで、果たしてバルベルデのようになれるのか、それともマルコス・ジョレンテのように他クラブに新天地を求めることになるのか。久保の将来を占ううえでも、今シーズンのウーデゴールの動向はひとつの指標にもなるはずだ。
現在、世界中の一流選手が集まるレアルには、久保以外にも、ダニ・セバージョス(アーセナル)、ボルハ・マジョラル(レバンテ)、ヘイニエル(ドルトムント)といった将来有望な「修業系レンタル移籍組」は多い。修業系レンタル移籍で次に成功するのは誰になるのか。久保は、その一角に割り込むことができるのか。その成長ぶりを見届けるのが、ますます楽しみになる。
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