皇帝もホレたバイエルン監督の仕事力。人生経験豊富で選手の心もわしづかみ (3ページ目)
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ザルツブルクでジョバンニ・トラパットーニ監督のアシスタントを務めていると、ドイツサッカー協会からの打診が入る。当時ザルツブルクで相談役を務めていた"皇帝"フランツ・ベッケンバウアーが、その仕事ぶりを見てドイツサッカー協会に推薦したのだ。
欧州トップへ駆け上がる扉が開かれた。その後の活躍は、先に書いたとおりだ。
セミプロチームの監督や自身で商売を営んだ経験は、フリックにとって大きな財産となっている。選手やスタッフたちを"人間"として理解するうえで、豊富な人生経験が現在の人心掌握につながっているのだ。
「自分が出会うすべての選手、すべての人々に対して、リスペクトを持って接することを心がけている。私自身も、そう接してほしいと望むようにね。その人の価値を認めること、コミュニケーションが重要なんだ。これらが、私の仕事のなかで重要な要素のひとつだった」とフリックは語る。そして、自身の仕事にとって"成功の鍵"を明かした。
「私がドイツサッカー連盟でスポーツディレクターを務めていた時(14-17年)、コースを履修する監督たちや指導員たちの間の雰囲気がいいかどうか、注意して観察していた。そして、私たちがお互いに好ましい時間を共に過ごし、信頼しあうことにも注意を払った。これらが成功の基盤となるものだからね」
自分を前面に押し出すことなく、普段から作業を共にする"チーム"を強調する。CL優勝という最高の瞬間に、苦楽を共にしたコーチングスタッフたちと写真に収まるフリックの姿は、今季のバイエルンの成功を象徴していた。
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