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久保建英との相性は? 庶民的すぎる
ビジャレアル本拠地とCLベスト4 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 5万人以上を収容する立派なスタジアムで行なわれても不思議のない、一流の試合だった。それを人口5万人の街に建つ2万2000人収容のスタジアムで見る気分は、しかしけっして悪くなかった。視角の急な記者席はさながら特等席に値した。

 試合はソリンのゴールでビジャレアルが先制すれば、後半24分、エバートンはアルテタのFKで1-1(合計スコア2-3)とする。緊張感に包まれたまま終盤を迎えることになった。

 次なるゴールが生まれたのは後半45分。得点者はフォルランだった。ビジャレアルが初めてCL本大会出場を決めた瞬間である。ただこのエル・マドリガルで、CL本大会が実際に行なわれる姿は想像できなかった。この少しばかり庶民的すぎるローカルなスタジアムで、CLは開催できるのかという疑問を残しながら、帰路についたものだ。

 ところが、このシーズンの終盤、筆者は再びエル・マドリガルに足を運んでいる。CL観戦をするために。ビジャレアルはなんと準決勝に進出。アーセナルホームで行なわれた第1戦を1-0の敗戦で折り返していた。

 2006年4月25日。第2戦でビジャレアルは、0-0で迎えた後半43分、PKのチャンスを掴んだ。キッカーはリケルメ......。

 PKは無情にも、アーセナルGKイェンス・レーマンに止められた。だが、1923年に産声を上げ、以来、改築改修を繰り返してきたエル・マドリガルが、最も華やいだ瞬間であったことは間違いない。

 エル・マドリガルは2017年、セラミック(セラミカ)という地場産業の発展を祈り、名称をエスタディオ・デ・ラ・セラミカに変更。スタンドの収容規模も2万2000人から2万3500人に増やしている。そして来季は、久保建英がこのスタジアムでプレーすることになる。スタジアムとの相性はいかに。

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