堂安律の本拠地で驚愕のおもてなし体験。
名勝負が生んだ美しい光景 (2ページ目)
収容人員は約3万5000人。視角の急なサッカー専用スタジアムだ。
初めて訪れたのは1995-96シーズンのUEFAカップ(ヨーロッパリーグの前身)準々決勝。PSV対バルセロナ戦だった。
カンプノウホームで行なわれた第1戦は2-2。内容ではPSVのほうが勝っていた。試合内容もよかった。どちらが勝つかわからない、接戦になりそうな高揚感を抱いたことが、1996年3月19日、フィリップス・スタディオンを訪問した一番の理由に他ならなかった。
オランダの3月といえばまだ極寒だ。試合開始は20時30分。覚悟しながらメディアの入場ゲートに向かった。オランダ語で「Receptie」と書かれてある、ホテルのフロントを連想させる受付を抜けると、これまたホテルに入ったような言葉を掛けられた。
「上着を脱いでください。預かります」
結婚式など、ホテルで行なわれるパーティに出席すると、受付の近くにコートなどを預けるクローク係がある。それと引き替えに番号カードを渡されるあの仕組みと、この場合も同じだった。
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