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堂安律の本拠地で驚愕のおもてなし体験。
名勝負が生んだ美しい光景 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 そして、そのほとんどにはクラブハウスとして使用される小屋がついていて、内部には必ずバーカウンターがある。飲食は、クラブ活動を円滑にするコミュニケーションツールとして欠かせないものだとの認識が定着しているからだ。

 赤い絨毯はスタンドに向かう廊下にも敷き詰められていて、こちらの雰囲気も、またホテルのごとしである。記者席は当然、アウトドアで、見るからに寒そうな場所にある。しかし、記者たちはやはりセーター姿だ。分厚いダウンジャケットを着ている人は見当たらない。

 ところが、着席すると、こちらも即、厳冬服を脱ぐことになった。そのままではいまにも汗を掻きそうになるほど暖かったからだ。天井に目をやれば、赤々と灯が点る電気ヒーターが数多く設置されていて、そこから降りてくる暖気によって、あたり一帯はスッポリと覆われていた。

 フェイエノールトのデカイプ、レバークーゼンのバイアレーナなど、その後、ヒーター付きのスタジアムで真冬に幾度か観戦したことがある。フィリップスは家電メーカー。日本に置き替えればパナソニックだろう。吹田スタジアムもぜひ......と言いたくなる。日本には存在しないスタジアム文化、おもてなしの精神である。

 PSV対バルサ。UEFAカップ準々決勝セカンドレグは、2-2(合計4-4)から、80分、バルサのホセ・マリア・バケーロが決勝ゴールを決め、合計スコア5-4で逃げ切るという派手な撃ち合いになった。

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