バルサの危機。MSNへの熱狂の陰で「青とえんじの色」は薄まり続けた
バルセロナの不安定な魅力7
今年2月、バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が渦中の人になった。クラブが契約していたPR会社が、SNSでリオネル・メッシやジェラール・ピケを批判するメッセージを発信。契約交渉を有利にするためだとされ、その工作容疑が持たれたのだ。
バルトメウ会長は即座に、「(PR会社と契約した理由は)マーケティング目的」と疑いを否定。選手にも釈明した。しかし現体制と反目するビクトル・フォント(会長選への立候補を表明している起業家)などの陣営を誹謗中傷する内容もあったため、果てしなく「黒」の印象が残った。
バルトメウ体制は火の車だ。
リオネル・メッシとネイマール。「MSN」が一世を風靡した スポーツディレクターのエリック・アビダルは、その手腕が疑問視されている。FWルイス・スアレスの控え探しの交渉は失敗続き。下部組織「ラ・マシア」の若手選手を売り出す一方、チームの強化はできていない。「選手が力を出し切っていない」という軽率な発言は選手の不評を買った。リーガ・エスパニョーラを連覇し、今シーズンもリーガは首位、チャンピオンズリーグ(CL)も勝ち上がっていたエルネスト・バルベルデ監督をあっさり解任したことも、禍根を残した。
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