2020.03.24

バルサの黄金時代を築いた男。
グアルディオラは何をもたらしたのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

バルセロナの不安定な魅力6

 キケ・セティエン監督が率いる現在のバルセロナにおいて、下部組織「ラ・マシア」出身で最後に先発の座を確保した選手は、2011年にデビューを飾ったセルジ・ロベルトである。つまり、10年近くこれと言った人材が出ていない。今シーズンは17歳のアンス・ファティが台頭しているが、レギュラーの座を獲得するには至っていないのが現状だ。

 2012年11月には、一時的にラ・マシア出身選手のみのイレブンが生まれた。隔世の感を禁じ得ない。現在のバルサにとって、ラ・マシアとトップチームの接続の悪さは、由々しき問題と言える。

 近年のバルサは、アンドレ・ゴメス(エバートン)、トーマス・フェルマーレン(ヴィッセル神戸)、ドウグラス、マウコム(ベシクタシュ)、フィリペ・コウチーニョ(バイエルン)、ウスマン・デンベレ、ネウソン・セメドなど有力な外国人選手の獲得に数百億円を投資しながら、ほぼ回収できない状態が続いている。アントワーヌ・グリーズマン、フレンキー・デ・ヨングは確かに好選手だが、2人の移籍金だけで300億円以上。苦境を複雑化しているだけにも映る。

4年間に数々の栄冠をバルセロナにもたらしたジョゼップ・グアルディオラ監督 2008-09シーズンから4シーズン指揮したジョゼップ・グアルディオラは、”強く美しいバルサ”を実現した。それは奇跡だったのか――。