ロナウジーニョ逮捕の裏に犯罪組織のニオイ。いったい何が起きたのか (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ロナウジーニョはブラジルのパスポートも所有しているし(一時期、罰金未払いのため差し押さえられたが、返却されている)、スペインのパスポートも持っている。なぜそれを使わなかったのか。

 この事件を調べていくうちに、その背後に、国際的犯罪組織の影があることが感じられるようになった。

 そもそもパスポートを女性から取り上げ偽造したり、パラグアイの内務省の管轄であるIDカードのシステムのブランクをついたり、素人ではできないことが多すぎる。

 また今回、ロナウジーニョが行なうはずだった自伝本の宣伝とチャリティは、ダイヤ・ロペスというパラグアイの女性実業家が企画していたが、彼女は脱税とマネーロンダリングの疑惑で、パラグアイ政府のブラックリストに載っていた。彼女は今回逮捕されたウィル・モンデスの妻と親友であり、ウィル・モンデス自身は、あるブラジル人議員と非常に近しい。この議員はブラジル・パラグアイ議員協会のコミッショナーを務めている。

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