「南野拓実が活躍できる下地はある」英国記者がリバプール移籍に太鼓判 (3ページ目)
とりわけ、チャンピオンズリーグのリバプール戦で威力を発揮していたのが、クロップの言う「ライン間におけるスペースを見つける巧さ」だった。相手DFとMFのライン間に侵入し、味方のパスを引き出す。あるいは、相手CBとSBの間に滑り込み、半身でボールを受けて、DFラインの背後に突破した。
こうした動きが際立っていたのが、ザルツブルクのホームで行なわれた一戦だった。
前半の立ち上がり、南野はCBとSBの間にスペースを見つけると、味方にパスを要求しながら侵入。リバプールのDFフィルジル・ファン・ダイクがマークについてきたとみると、日本代表MFはワンタッチでファン・ヒチャンに叩き、ゴールチャンスをお膳立てした。試合後、ファン・ダイクがクロップ監督に南野の獲得を進言したというのも、思わずうなずけるプレーだった。
登録はMFだが、FWのようにゴールに近い位置で危険なプレーを示すことができ、かつ得点力もシュート精度も高い。それゆえ、クロップ監督は補強を強く希望したように思う。4−3−3の両翼やインサイドMF、あるいは12月から採用するようになった4−2−3−1のトップ下として起用し、攻撃に幅を持たせるのが狙いだろう。もちろん、フィルミーノとの同時起用もありえる。
プレミアリーグで在籍8シーズン目を戦っている吉田麻也は、日本代表でチームメイトの南野に次のようにエールを送った。
「(南野は周りを)生かすというより、生かされるタイプだと思う。代表でも、いつも完全にそうです。ただ、リバプールではいいボールがどんどん出てくるから、(南野の特性は)生かされると思います。やっていて楽しいだろうなと。ただ、スピード感や強度はこれまでのものとはまったく違うものになると思うので、そのへんは早く適応しないといけないでしょう」
(レギュラー争いが熾烈で)毎日が戦いだと思う。しかし、(そのおかげで)研ぎ澄まされるんじゃないかなと。選手としてだけではなく、人間として、またひとりの男としても研ぎ澄まされるんじゃないかと思います」
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